看護師の過去問
第109回
午前 問118

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問題

看護師国家試験 第109回 午前 問118 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み以下の問いに答えよ。
Aさん( 75 歳、女性)は、脂質異常症( dyslipidemia )と高血圧症( hypertension )で通院中で、定期受診のため、外来待合室で順番を待っていた。Aさんは、待合室の雑誌を取ろうと立ち上がり、歩こうとしたところ、右足が思うように動かず引きずって歩いた。外来看護師が声をかけると、Aさんは「らいじょうぶ」と返答したが、ろれつが回らなかった。
この時のAさんの症状はどれか。
  • 痙縮
  • 失語
  • 構音障害
  • パーキンソニズム

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この過去問の解説 (3件)

01

答えは、3です。

この問題では、「右足が思うように動かず引きずって歩いた」と「ろれつが回らなかった」の2つの症状が書かれていますが、その症状とあう正しい選択肢を選ぶ必要があります。
そのためには、それぞれの言葉の意味を理解しておく必要があります。

1、痙縮(けいしゅく)は、自分の意思とは関係なく、筋肉が過度に緊張し、手や足が無意識につぱったり、曲がったりする状態をいいます。
「右足が思うように動かなかった」という症状に、「足の筋肉がつぱって」などもう少し詳しい情報があれば、痙縮であると選択できたかもしれません。

2、失語は、物事を会話や文字で表現したり、理解する能力が失われておきる障害です。言語を制御する脳領域の損傷が原因で起こるため、「ろれつが回らない」というより、言葉を発すること自体が難しくなります。

3、構音障害は、声が出にくかったり、ろれつが回らず正しい発音ができない状態です。

4、パーキンソニズムは、パーキンソン病とは別の原因により生じるパーキンソン病の症状を指します。
具体的には、筋肉が弛緩しているときに起きる振戦、筋肉のこわばり、動きの遅延、バランスや歩行の問題などの症状が出現します。
「右足が思うように動かず引きずって歩いた」という状況だけでは、パーキンソニズムとは判断できません。

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02

正解:3
(解説)
この問題では、まず各選択肢の用語の意味を理解しておく必要があります。
各選択肢については、以下の通りです。
1. 痙縮:脳卒中の後遺症による運動障害のひとつです。本人の意思とは関係なく筋肉の緊張が高まり、手や足が勝手につっぱったり曲がってしまったりしてしまう状態のことを指します。

2.失語:言語を制御する脳領域の損傷により、会話や文字でものごとを表現したり、理解したりする能力が部分的または完全に失われる障害のことを指します。

3.構音障害:言葉を正常にはっきり発音する能力が失われる障害のことを指します。具体的には、話し方がぎこちなくなる、ブツブツ途切れる、息の音が混じる、不明瞭になるなどがあります。脳や神経の病気により発音する時に唇や舌などの筋肉を適切に動かす指令が適切に働かないことが原因であり、脳卒中や交通外傷による脳損傷や、パーキンソン病や脳性まひなどの神経難病でみられます。

4.パーキンソニズム:動作緩慢、無動・寡動、手足や体幹がこわばり、手足の振戦、倒れやすくなる、姿勢保持障害などのパーキンソン病の症状のことをパーキンソニズムといいます。パーキンソニズムを引き起こす病気は、パーキンソン病以外にもたくさんあります。

この問題では、Aさんの症状として「ろれつが回らなかった」とあり、構音障害であると考えられます。よって、正解は「3」となります

参考になった数1

03

正解は、3です。

1 痙縮(けいしゅく)は、筋肉が緊張しすぎて、手足が動かしにくかったり勝手に動いてしまう状態です。

2 失語は、会話や文字でものごとを表現したり、理解したりする能力が部分的または完全に失われる障害です。

3 構音障害は、言葉を正常にはっきり発音する能力が失われる障害です。

4 パーキンソン二ズムは、パーキンソン病とは別の原因により生じるパーキンソン病の症状(緩慢な動作や振戦など)のことです。

参考になった数1