正解:1
(解説)
下痢では、水分とともに電解質も喪失し、脱水を起こします。腸液にはカリウムが多く含まれており、下痢によって消化管からカリウムを喪失するため、低カリウム血症が起こりやすくなります。よって、正解は「1」となります。
(補足)
他の選択肢については、以下の通りです。
2.高カルシウム血症:高カルシウム血症は、骨からのカルシウム放出の増加や、カルシウムの吸収が促進される疾患で生じやすくなります。主な原因疾患は、副甲状腺機能亢進症やビタミンD中毒、癌などになります。よって、正解には該当しません。
3.高ナトリウム血症:下痢が長期化することにより低ナトリウム血症を生じやすくなります。よって、正解には該当しません。高ナトリウム血症は、水欠乏性脱水、原発性アルドステロン症、尿崩症などで生じやすくなります。
4.低マグネシウム血症:マグネシウムの低下は飢餓状態や、腸から正常に栄養素を吸収できない場合などが一般的な原因となります。よって、正解には該当しません。慢性的な下痢によって、マグネシウムの吸収障害を起こし、低マグネシウム血症になる可能性はあります。