看護師の過去問
第109回
午後 問170

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問題

看護師国家試験 第109回 午後 問170 (訂正依頼・報告はこちら)

ラテックス製手袋を着用した直後に口唇・手足のしびれと喉頭の違和感を自覚した。原因となる病態はどれか。
  • I 型アレルギー
  • II 型アレルギー
  • III型アレルギー
  • IV 型アレルギー

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この過去問の解説 (3件)

01

ラテックス製手袋を着用した直後に口唇・手足のしびれと喉頭の違和感を自覚した。原因となる病態はどれか。

1 .I 型アレルギーはIgE抗体が関与することで引き起こされるアレルギーであり、アナフィラキシー型とも言われます。代表例として花粉症や気管支喘息があげられます。上記の症状はⅠ型アレルギーに当てはまるため、〇。

2 .II 型アレルギーはIgG・IgM抗体が反応しておこるアレルギーであり、細胞障害型とも言われます。代表例は不適合輸血や橋本病などがあげられます。

3 .III型アレルギーはIgM抗体が関与することで引き起こされるアレルギーであり、免疫複合型・アルサス型とも言われます。代表例は関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどがあげられます。

4 .IV 型アレルギーはTリンパ球が関与することで引き起こされるアレルギーであり、遅延型・免疫細胞型とも言われます。代表例としてツベルクリン反応や移植拒絶反応などがあげられます。

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02

正答:1

解説
アレルギーとは、免疫機能が過剰に反応することで、異物に対し作られる特異的 IgE抗体が関与します。その機序により種類が分類されています。

ラテックスアレルギーとは、天然ゴムに含まれているタンパク質に接触することにより、皮膚障害(発赤、掻痒感、じんましんなど)やアナフィラキシーショックを起こすことです。

Ⅰ型:一度体内に侵入したアレルゲンにより抗体が作られ、再度侵入した同アレルゲンに対し、迅速かつ、過剰に反応するもの
 アレルギー性鼻炎、気管支ぜん息、じんましん・アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、食物アレルギー、アナフィラキシー

Ⅱ型(細胞障害型):正常な細胞や組織を異物と誤認識し、攻撃するもの
 自己免疫性溶血性貧血、血小板減少症、顆粒球減少症、新生児溶血性黄疸

Ⅲ型(免疫複合体型):アレルゲンと抗体が結合したものを免疫複合体であり、それが組織に付着することで、その組織が傷害されるもの
 血清病、過敏性肺炎、ループス腎炎(慢性糸球体腎炎)、全身性エリテマトーデス

Ⅳ型(遅延型):アレルゲンに接触後、2日ほど経過してから反応が起こるもの
 接触皮膚炎、結核の空洞形成、橋本病、ベーチェット病、臓器移植後の拒絶反応や移植片対宿主病(GVHD)、ツベルクリン反応

Ⅴ型(組織刺激型):Ⅱ型と類似しているが、細胞や組織の機能の異常を亢進させるもの
 甲状腺機能亢進症

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03

正解:1. I 型アレルギー

問題文の症状は、ラテックスアレルギーだと推定されます。
ラテックスアレルギーの症状は、接触部位の掻痒感、発赤、膨疹、全身性の蕁麻疹、咳や喘鳴といった呼吸器症状、重篤な場合はアナフィラキシーショックを起こすこともあります。

Ⅰ型アレルギーは、即時型、アナフィラキシー型とも呼ばれ、IgEが関与して反応です。皮膚反応では15分から 30分で最大に達する発赤・膨疹を特徴とする即時型皮膚反応を示します。
代表的疾患にはアトピー型気管支喘息、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、アナフィラキシーショックなどがあります。


2. →Ⅱ型アレルギーは、細胞傷害型ないしは細胞融解型と呼ばれ、IgGまたはIgM抗体が関与しています。
代表的疾患としては、不適合輸血による溶血性貧血、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病などがあります。

3. →Ⅲ型アレルギーは、免疫複合体型またはArthus型とも呼ばれ、可溶性抗原とIgGまたはIgM抗体との抗原抗体結合物いわゆる免疫複合体による組織傷害です。
代表的疾患としては、血清病、全身性エリテマトーデス、関節リウマチをはじめとする自己免疫疾患、糸球体腎炎などがあります。

4. →Ⅳ型アレルギーは、遅延型アレルギー、細胞性免疫、ツベルクリン型とも呼ばれ、感作T細胞が関与しています。
代表的なものに、ツベルクリン反応やアレルギー性接触皮膚炎などがあります。

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