看護師の過去問
第110回
午前 問77
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問題
看護師国家試験 第110回 午前 問77 (訂正依頼・報告はこちら)
褐色細胞腫( pheochromocytoma )でみられるのはどれか。
- 高血糖
- 中心性肥満
- 満月様顔貌
- 血清カリウム濃度の低下
- 副腎皮質ホルモンの産生の亢進
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は1です。
褐色細胞腫とは副腎髄質から発生する腫瘍で30~40%は遺伝性の腫瘍です。
副腎髄質は交感神経に働きかけ血圧や心臓の動きを調節するカテコラミンを分泌します。
褐色細胞腫はカテコラミンを過剰分泌します。
1.カテコラミンを過剰分泌することで血圧や血糖を高くします。
その他の症状として頭痛、動悸、発汗過多、便秘などの症状が出ることがあります。
2.中心性肥満は、腕や足などの末端より体の中心部分の腹部や内臓に多くの脂肪がついている状態です。
副腎皮質ホルモンのコルチゾールの過剰分泌によって起こるクッシング症候群の方に多く見られます。
3.満月様顔貌は副腎皮質ホルモンの過剰分泌によって引き起こされます。クッシング症候群の際に多く見られるため「クッシング様顔貌」といわれることもあります。
副腎皮質ホルモン製剤の過剰投与でも起こるため、ステロイド剤の長期投与の際に現れる副作用のひとつでもあります。
4.副腎皮質より分泌されるアルドステロンというホルモンには、体内の塩分や水分を調節したり、血管に直接働きかけることにより血圧を調節したり、血中のカリウムを減らす作用があります。
褐色細胞腫は副腎髄質より発生するため、直接的な作用ではありませんが褐色細胞腫の症状として多量の発汗や悪心嘔吐があり、症状が増強すると血中のカリウム減少の出現の可能性もあります。
5.副腎皮質ホルモンの生産亢進はクッシング症候群にておこります。
褐色細胞腫は副腎髄質ホルモンの生産亢進にておこります。
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02
正解: 1. 高血糖
<褐色細胞腫>
褐色細胞腫は、副腎髄質やその周囲の神経節に発生する腫瘍のことをいいます。
症状:カテコールアミンが過剰に分泌されることから、高血圧、不整脈、糖尿病、脂質異常症などが多くみられる。
2. →中心性肥満は、コルチゾールの過剰分泌によって生じ、クッシング症候群の代表的な症状です。
3. →満月様顔貌は、クッシング症候群でみられる副腎皮質ホルモンの過剰分泌によるものです。または、副腎皮質ホルモン剤の過剰投与によっても生じます。
4. →血清カリウム濃度の低下は、嘔吐や下痢、副腎疾患、利尿剤が原因で生じます。
副腎疾患が原因となる場合、アルドステロンが過剰に分泌されることで、腎臓からカリウムが大量に排出されてしまうため、血性カリウム濃度が低下します。
5. →副腎皮質ホルモンの産生の亢進は、クッシング症候群などでみられます。
褐色細胞腫は、副腎皮質ホルモンに影響するのではなく、交感神経に働きかけるカテコールアミンの増加がみられます。
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03
正解は1「高血糖」です。
<褐色細胞腫>
副腎髄質細胞あるいは交換神経節細胞等のクロム親和性細胞から発生する腫瘍で、カテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)を多量に産生・分泌することにより、高血圧と代謝亢進等を示す疾患である。症状は高血圧、高血糖、代謝亢進、頭痛、多汗の5Hが主なものである。その他、振戦、頻脈、体重減少、イライラ感などバセドウ病と類似した症状がみられる。
1.上記より、5Hの一つ高血糖は褐色細胞腫の症状です。
2.中心性肥満はコルチゾールの影響により体幹に過剰な脂肪がつく状態です。コルチゾールが過剰分泌される疾患はクッシング症候群です。不適切です。
3.満月様顔貌は副腎皮質ホルモンの過剰分泌、過剰投与で起こります。コルチゾール(副腎皮質ホルモン)が過剰分泌されるクッシング症候群でもみられ、副腎皮質ホルモン製剤を投与する治療(ステロイドパルスなど)でもみられます。不適切です。
4.アドレナリンやノルアドレナリンが多量に分泌されるということは尿量は減少します。カリウムは尿から排泄されるので、血清カリウム値は褐色細胞腫においては上昇します。不適切です。
5.褐色細胞腫は副腎髄質ホルモン(ノルアドレナリン、アドレナリンなど)の産生・分泌が亢進する疾患なので、不適切です。
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