看護師の過去問
第110回
午前 問83

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問題

看護師国家試験 第110回 午前 問83 (訂正依頼・報告はこちら)

小児期における消化器の特徴で正しいのはどれか。
  • 新生児期は胃内容物が食道に逆流しやすい。
  • 乳児期のリパーゼの活性は成人と同程度である。
  • ラクターゼの活性は1歳以降急速に高まる。
  • アミラーゼの活性は12~13歳で成人と同程度になる。
  • 出生直後の腸内細菌叢は母親の腸内細菌叢の構成と同一である。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1「新生児期は胃内容物が食道に逆流しやすい」です。

1.新生児は胃噴門括約筋が弱いため、吐乳しやすいです。

2.成人では、リパーゼによる脂肪の消化が主体となります。一方、乳児期は、リパーゼの働きはあまり活発ではありません。

3.ラクターゼとはラクトース(乳糖)をガラクトースとグルコースに分解する酵素です。哺乳類では離乳期に至ると活性が低下します。ヒトでも5歳ころになると自然に活性が低下してきます。

4.アミラーゼとは唾液や膵液に含まれるデンプンを分解する酵素です。アミラーゼの活性が成人とほぼ同程度になるのは、5~10歳です。

5.出生直後の腸内細菌叢は無菌です。生後数日~腸内細菌叢は増え始め、3歳頃には成人と同等の腸内細菌叢の構成になってきます。

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02

正解は1です。

1.新生児の胃は球形状で噴門の括約筋は未発育なため、胃内容物が逆流しやすくなっています。胃の形状は2~3歳で釣鐘状、12~13歳で成人と同じ形状になります。

2.リパーゼとは膵臓で合成され、膵液中に分泌されてトリグリセリド(中性脂肪)を加水分解する消化酵素です。

2~3歳で成人と同等となります。

3.ラクターゼとは乳糖(ラクトース)を分解するための酵素です。

生後一定期間は活性が高い傾向にありますが、授乳期を過ぎると活性は低下していきます。

4.アミラーゼとは膵液や唾液に含まれるでんぷん(糖質)を分解して糖にする消化酵素です。

アミラーゼの活性は生後3か月まではほとんど認められません。

2歳で成人の50%、10~15歳で成人同等となります。

5.出生直後の腸内環境は無菌状態です。

生後2~3か月ごろより腸内細菌叢が形成され始めます。

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03

正解: 1. 新生児期は胃内容物が食道に逆流しやすい。

新生児期の胃は容量が小さく、I字型で噴門部の括約筋が緩いため、胃内容物が食道に逆流しやすい状態です。

2. →乳児期のリパーゼの活性は未熟です。本来は膵臓から分泌されますが、乳児期では舌や胃壁からも分泌され、脂肪の消化を助けています。胎児期で活性が出始め、新生児で成人並みになります。

3.→ラクターゼは、生後2〜3日で活性がみられ、成人と同程度になります。

4.→アミラーゼは、生後4〜6ヶ月頃に活性がみられ、成人と同程度になります。

5. →腸細菌叢は、胎児の腸内では無菌状態ですが、生後母親由来や環境由来の細菌に暴露されることで、徐々に成熟していきます。

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