看護師の過去問
第110回
午後 問235
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問題
看護師国家試験 第110回 午後 問235 (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん( 37歳、男性)は妻( 40歳、会社員)と2人暮らし。筋強直性ジストロフィー( myotonic dystrophy )で週5回の訪問介護を利用していた。1か月前に傾眠傾向が著明となり入院して精査した結果、睡眠時無呼吸に対して夜間のみフェイスマスクを用いた非侵襲的陽圧換気療法が導入された。Aさんは四肢遠位筋に筋萎縮と筋力低下があるが、室内の移動は電動車椅子を操作して自力で行え、食事も準備すれば妻と同じものを摂取できる。退院後、週1回午後に訪問看護が導入されることになった。
訪問看護と訪問介護の担当者、Aさんと妻を含めた退院前カンファレンスが開催された。妻から「夜間に停電になったらどうすればよいですか」と発言があった。
このときの妻への訪問看護師の対応で適切なのはどれか。
訪問看護と訪問介護の担当者、Aさんと妻を含めた退院前カンファレンスが開催された。妻から「夜間に停電になったらどうすればよいですか」と発言があった。
このときの妻への訪問看護師の対応で適切なのはどれか。
- 電動式でない車椅子を購入するよう勧める。
- 訪問看護事業所が発電機を貸し出すと伝える。
- バッグバルブマスクでの用手換気の指導を行う。
- 停電時にハザードマップを確認するよう提案する。
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この過去問の解説 (3件)
01
Aさんの妻からの「夜間に停電になったらどうすればよいですか」という発言に対する回答を考えます。
この問題の、Aさんの状態のうち、「四肢遠位筋に筋萎縮と筋力低下があるが、室内の移動は電動車椅子を操作して自力で行え、食事も準備すれば妻と同じものを摂取できる。」については、以前と同様の状態であると判断し、週5日の訪問介護で問題ないと考えます。
夜間の停電時の相談ですので、車いすの移動については必要ないと思われます。移動が必要な場合も予備のバッテリーを準備しておくことができます。
また、Aさんは四肢遠位筋に筋萎縮と筋力低下があるため、電動車いすでない移動は現実的ではありません。
Aさんは起きている時間は自発呼吸が可能ですので、発電機は不要と考えます。
人工呼吸器などを使用している場合は訪問看護事業所や人工呼吸器の医療機器メーカーなどと相談し災害時の備えとして自家発電機を準備します。
Aさんは起きている時間は自発呼吸が可能です。換気を助ける目的で非侵襲的陽圧換気療法を実施しているので、停電時はバッグバルブマスクによる用手換気で対応します。
「ハザードマップ」とは、「自然災害による被害の軽減や防災対策に使用する目的で、被災想定区域や避難場所・避難経路などの防災関係施設の位置などを表示した地図」を指します。
停電時や災害時に確認するのではなく、平時に確認し、災害時の備えが必要です。
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02
「3」が正解です。
停電時は、非侵襲的陽圧換気療法吸用の人工呼吸器が停止するリスクがあります。停電に備えて、①主電源以外に外部の予備バッテリーの準備、②電力会社への連絡確認、③緊急時用のバッグバルブマスクの準備をしておくことが重要です。
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03
正解は3です。
1.停電時に問題となるのは非侵襲的陽圧換気療法が使えなくなることです。
電動式車いすは充電式バッテリーがあるため、他の車いすを用意する必要はありません。
2.訪問看護事業所から直接発電機を借りるのではなく、医療機器メーカーなどに相談することが望ましいでしょう。
3.災害時などの停電に備え、家族にバッグバブルマスクによる用手換気の指導を行うことは重要です。
4.ハザードマップとは自然災害による被害を予測し、その被害範囲を地図化したものです。普段から確認しておくことは重要ですが、停電時にハザードマップを確認するよう指導する必要はありません。
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