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看護師の過去問 第111回 午前 問113

問題

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次の文を読み以下の問いに答えよ。

Aさん(23歳、女性)は大学を卒業後、会社に就職して1人暮らしを始めた。入社後に「会社の制服が似合うようになりたい」とダイエットを始め、次第にるいそうが目立つようになった。「太るのが怖い」と言って食事を拒否するようになり、体重は1年間で10kg減少した。しかし、本人は「まだ太っているから、痩せないといけない」と話していた。久しぶりにAさんと会った母親が、過度のるいそうを心配して、内科受診を勧めた。内科ではるいそう以外に大きな異常を認めず、精神科受診を勧められた。精神科では神経性無食欲症(anorexia nervosa)と診断され、外来通院を開始した。その後、低血糖によるふらつきのため職場で頻回に転倒するようになった。それでも食事を十分に摂らないため、精神科病棟へ入院した。入院時、身長166cm、体重36kgであった。入院後、食事のほかに点滴による栄養補給が始まった。

入院後2週が経過した。食事のときにAさんは食べ物を細かく刻み、1時間以上時間をかけるが、摂取量は全体の25%程度である。時間があるとベッド上でいつもストレッチを行っている。Aさんと話し合ったところ「私はこの病棟で太っているほうだから少しでも痩せなきゃ」と話した。
看護師の関わりとして適切なのはどれか。
   1 .
体重測定の回数を増やす。
   2 .
鏡でAさんの全身を映して見せる。
   3 .
痩せたいと思う気持ちについて話し合う。
   4 .
Aさんは他の患者よりも痩せていると伝える。
( 看護師国家試験 第111回 午前 問113 )
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この過去問の解説 (3件)

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神経性無食欲症とは、太ることへの強い恐怖意図的な体重減少自身の体型や体重に対する歪んだ認知が見られる摂食障害です。

低体重の深刻さに対する認識に欠け、十分痩せているのに「まだ太っている」といった体重や体系の歪んだ認識をもっています。よって、治療に対して拒否的であったりする特徴があります。

選択肢1. 体重測定の回数を増やす。

神経性無食欲症の患者は、体重増加への恐怖をもっており、体重測定の回数を増やすだけでは、根本的な改善にはつながりません。よって不適切です。

選択肢2. 鏡でAさんの全身を映して見せる。

神経性無食欲症の患者は、ボディイメージの混乱があり、痩せすぎていても「まだ太っている」と思い込みます。無理に認識させようとせず、少しずつその思いを聞きながら、治療に前向きになれるよう援助が必要です。

選択肢3. 痩せたいと思う気持ちについて話し合う。

神経性無食欲症の原因には、社会的要因、家庭環境、幼少期の出来事、思春期など、さまざまな要因が絡み合って発症する疾患です。なぜ痩せたいと思うのか。その気持ちを聞き、寄り添うことが大切です。

選択肢4. Aさんは他の患者よりも痩せていると伝える。

神経性無食欲症の患者は、太ることへの強い恐怖感があり、どんなに痩せていても、まだ太っていると思い込んでしまいます。痩せていることを伝えても、太っていることが恐怖でしかない内は、その言葉に拒否感を覚える状況です。

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正解はです。

神経性無食欲症では、食べる意志がなくなり極端な偏食行動じっとしていられない過活動状態になります。身体的な症状としては、低体重、無月経、低血圧、低体温、徐脈などが現れます。また、精神症状としては、痩せ願望が強く、病気への自覚が乏しいのが特徴です。

問題文のAさんは入院時、身長166cm、体重36kgであったように、客観的には明らかにやせていますが、自身で正しく認識できていません。この状態の患者に数値や自身の姿などの客観的な情報を提示しても、正しく認識できないため不適切です。

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3 正解

なぜそんなに痩せたいと思うのかなど、その行動をとる患者背景をまず理解していくことが治療において必要なので、適切な関わりです。

1.2.4 不正解

摂食障害の患者は、”痩せたい・太りたくない”という強い願望を持っています。そのため、どんなに痩せていようとも、太ることへの危機感を持っているため、その事実を突きつけることは正しい関わりとは言えません。

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