看護師の過去問
第113回
午前 問55
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問題
看護師国家試験 第113回 午前 問55 (訂正依頼・報告はこちら)
出生体重3,020gの正期産児。
新生児期に最もチアノーゼを生じやすい先天性心疾患はどれか。
新生児期に最もチアノーゼを生じやすい先天性心疾患はどれか。
- 動脈管開存症(patent ductus arteriosus)
- 心室中隔欠損症(ventricular septal defect)
- 心房中隔欠損症(atrial septal defect)
- Fallot(ファロー)四徴症(tetralogy of Fallot)
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この過去問の解説 (3件)
01
チアノーゼとは血中の酸素が不足して皮膚や粘膜が青紫色に変化する症状です。
先天性心疾患にはチアノーゼを伴うものと、伴わないものがあります。
動脈管開存症とは胎児時にある大動脈と肺動脈をつなぐ動脈管が出生後も閉じず、開存している疾患です。
症状としては発育不全・哺乳不良・頻脈・頻呼吸などがありますがチアノーゼは認めません。
心室中隔欠損症とは右心室と左心室の間にある筋肉の壁に穴が開いている疾患です。
先天性心疾患の中でも多い病気の一つです。
穴が小さい場合は症状がないこともありますが、穴が大きい場合は
哺乳不良・発育不全などがあります。チアノーゼは見られません。
また、穴が大きいほど肺高血圧や心不全のリスクは高まります。
心房中隔欠損症とは右心房と左心房の間にある筋肉の壁に穴が開いている疾患です。
先天性心疾患の中でも多い病気です。
穴の大きさで症状に違いがあり、穴が小さければ症状がみられないこともあります。
穴が大きければ疲れやすいなどの症状がありますが目立った症状が現れないこともあります。
チアノーゼも見られません。
ファロー四徴症とはチアノーゼを伴う先天性心疾患では最も頻度の高い代表的な疾患です。
肺動脈と大動脈の2つの大きな血管を分ける仕切りの壁が体の前方にずれたために起こる心臓の異常で
心室中隔欠損・大動脈騎乗・肺動脈狭窄・右心肥大の4つの特徴をもつ疾患です。
チアノーゼを伴う先天性心疾患にはファロー四徴症・完全大血管転位症・三尖弁閉鎖症・肺動脈閉鎖症などがあります。
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02
正解は「Fallot(ファロー)四徴症(tetralogy of Fallot)」です。
新生児期にチアノーゼを引き起こす代表的な先天性心疾患の一つがFallot四徴症です。
動脈管開存症では、通常、血液は肺動脈から大動脈へ流れます。
軽度の場合、チアノーゼは見られませんが、重症例では混合血流が生じ、チアノーゼが発現する可能性もありますが、チアノーゼを引き起こす可能性は低いです。
心室中隔欠損症では、右心室と左心室の間に穴が開いているため、酸素化された血液と酸素が乏しい血液が混ざります。
しかし、通常は左から右へのシャント(酸素が豊富な血液が右心に流れる)ため、チアノーゼはあまり起こりません。
心房中隔欠損症も、酸素化された血液が左心房から右心房へ流れ込むため、通常はチアノーゼを引き起こすことはありません。
Fallot四徴症(tetralogy of Fallot)
正解。この疾患は、右室肥大、心室中隔欠損、大動脈騎乗、肺動脈狭窄の4つの特徴を持つ疾患で、チアノーゼ型先天性心疾患に分類されます。
特に、肺動脈狭窄が原因で肺に流れる血液が少なくなるため、酸素化されない血液が全身に流れることでチアノーゼが生じやすくなります。
Fallot四徴症は、酸素不足の血液が全身に循環するため、新生児期にチアノーゼが現れやすい先天性心疾患です。
その他の選択肢の疾患も心疾患に関連しますが、チアノーゼの発生頻度や重症度はFallot四徴症に比べて低いです。
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03
疾患の解剖生理を理解しておくことが重要です。
胎児期に開いている動脈管が、出生後も自然閉鎖せずに開いた状態のままの疾患のこと。
大動脈から肺動脈へ向かう血流が生じるため、チアノーゼは生じません。
心室を左右に隔てる壁に穴が開いている疾患です。
左室から右室への血流が生じるため、チアノーゼは生じません。
心房と心室を隔てる壁に穴が開いている疾患です。
左房から右房への血流が生じるため、チアノーゼは生じません。
心室中隔欠損、肺動脈狭窄、大動脈騎乗、右心室肥大の4つの疾患を併せ持つ疾患です。
新生児期に最も頻度が高く、チアノーゼを生じやすい代表的な先天性疾患です。
心奇形により肺への血流が減少することでチアノーゼが生じます。
新生児期に代表的な先天性心疾患は、
Fallot(ファロー)四徴症(tetralogy of Fallot)であり、
チアノーゼが生じやすいと覚えておきましょう。
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