看護師の過去問
第113回
午前 問62

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

看護師国家試験 第113回 午前 問62 (訂正依頼・報告はこちら)

正常新生児の卵円孔の機能的閉鎖に関する説明で正しいのはどれか。
  • 動脈血酸素分圧<PaO2>の上昇によって閉鎖する。
  • 肺血流の増加によって起こる。
  • 出生から数週後に閉鎖する。
  • 動脈管の閉鎖が要因となる。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

卵円孔は胎児期にみられる特徴的な構造であり、出生後に機能的に閉鎖されます。

卵円孔は出生直後の肺呼吸の開始により肺血流が増加することで、閉鎖につながります。

選択肢1. 動脈血酸素分圧<PaO2>の上昇によって閉鎖する。

結果的に閉鎖に関与しますが、直接的に卵円孔の閉鎖に関与していないため、答えとしては不適切です。

 

選択肢2. 肺血流の増加によって起こる。

出生後、呼吸開始とともに血中の酸素分圧が上昇し、肺血管抵抗が低下することによって肺血流が増加します。
肺血流の増加により、左房への灌流量が増加し、左房圧が上昇して卵円孔が右房に押し上げられ、卵円孔が機能的に閉鎖します。

そのため、正解です。

選択肢3. 出生から数週後に閉鎖する。

卵円孔は生後2~3分で閉鎖し、中隔完成には6~8ヶ月かかります。

そのため、間違いです。

選択肢4. 動脈管の閉鎖が要因となる。

生後約12~24時間で起こります。

動脈管の閉鎖が卵円孔の機能的閉鎖の要因ではないため、間違いです。

まとめ

胎児循環では肺循環を必要とせず、胎盤で物質交換を行います。そのため、特徴的な卵円孔動脈管(ボタロー管)静脈管(アランチウス管)が存在します。

出生後は胎盤血流が消失するため肺動脈が拡張し、胎児期の循環から新生児期の循環となります。

参考になった数0

02

正解は「肺血流の増加によって起こる」です。

卵円孔は胎児期において右心房と左心房を連結する穴であり、出生後に機能的に閉鎖されます。

この閉鎖は、出生直後の肺呼吸の開始により肺血流が増加し、それに伴って左心房の圧力が右心房の圧力を上回ることで起こります。

この圧力変化によって卵円孔は閉じられます。

 

選択肢1. 動脈血酸素分圧<PaO2>の上昇によって閉鎖する。

動脈血酸素分圧(PaO2)の上昇は、動脈管の閉鎖に関与しますが、卵円孔の閉鎖には直接の役割はありません。

 

選択肢2. 肺血流の増加によって起こる。

出生後に肺が膨らむと、肺血流が増加し、左心房の血流と圧力が増加します。

これにより右心房から左心房への流れが減少し、卵円孔が機能的に閉鎖されるのが正しいメカニズムです。

 

選択肢3. 出生から数週後に閉鎖する。

卵円孔は通常出生直後に機能的に閉鎖しますが、完全に解剖学的に閉鎖されるのは数週間から数か月後になることがあります。

 

選択肢4. 動脈管の閉鎖が要因となる。

動脈管の閉鎖(ボタロー管)は、別の循環の変化であり、卵円孔の閉鎖に直接的に影響を与えるものではありません。

動脈管は主にPaO2の上昇とプロスタグランジンの減少により閉鎖します。

 

まとめ

卵円孔の機能的閉鎖は、出生後に肺血流が増加し、左心房の圧力が右心房を上回ることで引き起こされます。

これにより、胎児期に必要だった右心房から左心房への血流が停止し、正常な新生児の循環が確立されます。

参考になった数0