看護師 過去問
第113回
問65 (午前 問65)

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問題

看護師試験 第113回 問65(午前 問65) (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん(30歳、男性)は、昼間の過剰な眠気を主訴に来院した。会社の会議ではいつも寝てしまい、居眠り運転で交通事故を起こしたこともある。笑ったときに脱力してしまうことや、入眠時に誰もいないのに人影が見えたり、睡眠と覚醒の移行期に体を動かせなくなることがある。
最も考えられる疾患はどれか。
  • ナルコレプシー(narcolepsy)
  • レム睡眠行動障害(REM sleep behavior disorder)
  • 睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome)
  • レストレスレッグス症候群<むずむず脚症候群>(restless legs syndrome)

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この過去問の解説 (3件)

01

正解はナルコレプシーです。

ナルコレプシーは中枢神経系の異常が原因と考えられており、思春期から若年成人期にかけて現れる症状で、長期間持続するものとされています。

主な症状として、日中の耐えがたい眠気(食事や歩行中にも眠ってしまう)、情動脱力発作(大笑い・驚き・怒りなどの強い感情が引き金になる)、睡眠麻痺(寝入る時あるいは目覚めた時、金縛りのような状態になる)、幻覚(人や動物が寝室にいるかのように感じる)、夜間の睡眠障害などが挙げられます。

上に挙げた全ての症状が出るわけではありませんが、進行していくに従い、徐々に症状が増えていきます。

 

 

 

 

選択肢1. ナルコレプシー(narcolepsy)

正解です。

ナルコレプシーは、昼間の過剰な眠気、笑ったときに脱力してしまう(情動脱力発作)、入眠時に誰もいないのに人影が見える(幻覚、睡眠と覚醒の移行期に体を動かせなくなる(睡眠麻痺)、といった症状が現れます。

 

選択肢2. レム睡眠行動障害(REM sleep behavior disorder)

レム睡眠行動障害は、睡眠時随伴症のひとつです。睡眠中に突然発する大声の寝言や奇声、暴力的な行動が現れることを特徴とします。

50歳以降の男性に多く、加齢に伴い増加します。

選択肢3. 睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome)

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が10秒以上停止する無呼吸や低呼吸が、1時間あたり5回以上発生するため熟眠できず、日中などに異常な眠気を催す状態のことをいいます。ほとんどの場合、いびきを伴います。

中枢型(脳、神経、心臓の病気が原因で起こる)、閉塞型(のどが閉じてしまうことで起こる)、両者が混合して起こるタイプを混合型と呼んでいます。閉塞型が最も多く、肥満と強い関連がありますが、肥満がなくても起こる場合もあります。

選択肢4. レストレスレッグス症候群<むずむず脚症候群>(restless legs syndrome)

レストレスレッグス症候群とは、夜になると出現する下肢を中心とした異常感覚により不眠、過眠を引き起こすことをいいます。

レストレスレッグス症候群は、むずむず脚症候群とも呼ばれており、夕方から深夜にかけて、下肢を中心として、「むずむずする」「じっとしていると不快な感覚が強くなる」といった症状が出現してきます。
中年以降、男性より女性に多く、鉄欠乏性貧血や、腎不全による人工透析を受けている人に症状が多いと知られています。

通常の睡眠薬は有効ではなく、抗けいれん薬や、ドパミンアゴニスト(パーキンソン病の治療薬)が治療薬として承認されています。
症状が軽い場合は生活習慣を整えるなど、非薬物治療を行う場合もあります。

 

 


 

まとめ

睡眠障害には、睡眠と覚醒に関連するさまざまな疾患があります。最も多いものは不眠症ですが、それぞれの原因や症状、起こりやすい年代や性差の特徴を押さえておきましょう。

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02

正解は、ナルコレプシーです。

ナルコレプシーは、脳睡眠機構の異常で起こる睡眠障害です。

選択肢1. ナルコレプシー(narcolepsy)

正解です。

ナルコレプシーには、以下のような特徴的な4主徴があります。

睡眠発作(突然生じる眠気・居眠り)

情動性脱力発作(驚いたり笑ったりしたときに脱力が起こる)

睡眠麻痺

入眠時幻覚

選択肢2. レム睡眠行動障害(REM sleep behavior disorder)

不正解です。

レム睡眠行動障害は、夢の内容に基づいて大声を出したり、手足を激しく動かす、ベッドから立ち上がって歩き回るなどの行動が起こります。

 

選択肢3. 睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome)

不正解です。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時に無呼吸の状態が繰り返されることで深い眠りが妨げられ、夜間覚醒も起こることで日中に過度の眠気が生じます。

そのほかの症状として、睡眠時のいびき起床後の頭痛が特徴です。

選択肢4. レストレスレッグス症候群<むずむず脚症候群>(restless legs syndrome)

不正解です。

レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)は、安静時や夜間に足がむずむずし、その不快感を軽減させるために足を動かすことで睡眠障害を起こす疾患であり、女性に多いとされています。

まとめ

Aさんの訴える症状は、ナルコレプシーの4主徴に当てはまります。

レム睡眠行動障害、睡眠時無呼吸症候群、レストレスレッグス症候群も睡眠障害に当てはまりますが、Aさんの疾患として考えるには不適切です。

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03

正解は「ナルコレプシー(narcolepsy)」です。

ナルコレプシーは、日中の過剰な眠気を主症状とし、突然の睡眠発作や情動による脱力(カタプレキシー)を特徴とする疾患です。

また、入眠時幻覚や睡眠麻痺といった特徴も見られます。

これらの症状により、日常生活に支障をきたすことが多く、診断と治療が必要です。

 

選択肢1. ナルコレプシー(narcolepsy)

Aさんの症状として「昼間の過剰な眠気」「会議中に寝てしまう」「居眠り運転」が見られ、これはナルコレプシーの特徴です。

また、「笑ったときに脱力する(カタプレキシー)」や、「入眠時に幻覚が見える」「体が動かせなくなる(睡眠麻痺)」も典型的な症状です。

ナルコレプシーは睡眠制御の問題で、日中に突然強い眠気を感じることがあります。

 

選択肢2. レム睡眠行動障害(REM sleep behavior disorder)

レム睡眠行動障害は、レム睡眠中に夢に基づいて体が動き出す疾患です。

例えば、寝ている間に夢に基づいて暴れるなどの行動を取ることがありますが、日中の過剰な眠気や入眠時の幻覚は典型的な症状ではないため、Aさんの症状に一致しません。

 

選択肢3. 睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome)

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まり、これが原因で夜間に頻繁に目が覚めることにより、日中の過剰な眠気を引き起こします。

ただし、カタプレキシーや入眠時の幻覚、睡眠麻痺はこの疾患の特徴ではないため、Aさんの症状には該当しません。

 

選択肢4. レストレスレッグス症候群<むずむず脚症候群>(restless legs syndrome)

レストレスレッグス症候群は、足がむずむずしたり、不快な感覚があるために寝ている間に足を動かさずにはいられないという症状が特徴です。

しかし、Aさんの訴える昼間の眠気や情動による脱力、入眠時幻覚などはむずむず脚症候群には関連しないため、該当しません。

 

まとめ

Aさんの症状である「昼間の過剰な眠気」「カタプレキシー」「入眠時幻覚」「睡眠麻痺」は、ナルコレプシーの典型的な特徴です。

他の選択肢(レム睡眠行動障害、睡眠時無呼吸症候群、レストレスレッグス症候群)では、これらの症状のすべてを説明することができないため、最も考えられる疾患はナルコレプシーです。

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