看護師の過去問
第113回
午前 問102

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問題

看護師国家試験 第113回 午前 問102 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(70歳、女性)は夫(68歳)と2人で暮らしている。BMI26で左股関節の変形性関節症(osteoarthritis)のため関節可動域の制限と疼痛があり、外出時はT字杖を使用している。症状が強いときに消炎鎮痛薬を服用しているが、日常生活動作は自立している。Aさんは過去に転倒したことはないが、左右の下肢の差が3cmあり、立ち上がるときにふらつくことがある。自宅で座って過ごす時間が長い。Aさんは定期受診のため夫に付き添われて外来を受診した。
B看護師は、Aさんが処置室前の待合室でT字杖を持ち、椅子から立ち上がろうとしているのを見かけた。B看護師が声をかけると、Aさんは「夫が会計をしていますが、急にトイレに行きたくなって」と慌てていた。夫はAさんから2mほど離れた所で会計をしているため、Aさんの様子に気がついていない。待合室は患者や家族で混雑しており、外来にある車椅子は別の患者が使用中だった。
AさんへのB看護師の声かけで適切なのはどれか。
  • 「車椅子を探してきます」
  • 「ご主人をお呼びしましょう」
  • 「トイレまで一緒に行きましょう」
  • 「転ばないように気を付けて行ってくださいね」

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は「トイレまで一緒に行きましょう」です。

Aさんは左股関節の変形性関節症により関節可動域の制限と疼痛があり、ふらつくことがあるため、転倒のリスクが高い状況にあります。さらに、急にトイレに行きたくなって慌てているため、迅速かつ安全な対応が求められます。このような状況では、B看護師がAさんに「トイレまで一緒に行きましょう」と声をかけて直接サポートすることが、Aさんの安全を確保し、安心感を与えるために最も適切な対応です。単に注意を促すだけでは、Aさんの安全を十分に守ることができません。

選択肢1. 「車椅子を探してきます」

「車椅子を探してきます」という選択肢が不適切と考えられる理由は以下の通りです。

 

時間のロス:

 Aさんは急にトイレに行きたくなっているため、迅速な対応が必要です。

車椅子を探しに行くことは時間がかかる可能性があり、その間にAさんが我慢できなくなるか、立ち上がろうとして転倒するリスクがあります。

車椅子の利用状況

問題文には、外来にある車椅子が別の患者が使用中であると記載されています。

したがって、すぐに車椅子を見つけられる保証がなく、Aさんを待たせることになりかねません。

直接的なサポートの欠如:

 Aさんはふらつくことがあり、看護師が直接サポートすることで安全に移動できるようにすることが重要です。

車椅子を探しに行く間、Aさんはサポートを受けられず、不安や危険が増す可能性があります。

 

これらの理由から、「車椅子を探してきます」という対応は、Aさんの安全と迅速な対応を考慮すると不適切です。看護師が直接Aさんをサポートして「トイレまで一緒に行きましょう」と声をかけることが最も適切な対応です。

選択肢2. 「ご主人をお呼びしましょう」

「ご主人をお呼びしましょう」という選択肢が不適切と考えられる理由は、Aさんが急にトイレに行きたくなっている状況で、迅速な対応が求められるためです。

ご主人を呼びに行く間に時間がかかる可能性があり、その間にAさんが我慢できなくなるか、立ち上がろうとして転倒するリスクが高まります。

B看護師が直接Aさんをサポートしてトイレに同行することで、Aさんの安全を確保しつつ、迅速に対応することができます。

選択肢3. 「トイレまで一緒に行きましょう」

「トイレまで一緒に行きましょう」が正解の理由は、以下の点にあります。

 

安全性の確保

Aさんはふらつくことがあり、転倒のリスクがあります。

看護師が一緒に行くことで、Aさんが安全に移動できるようサポートできます。

 

迅速な対応

Aさんは急にトイレに行きたくなっているため、迅速な対応が必要です。

看護師がすぐに同行することで、Aさんのニーズに即座に応えることができます。

 

環境の状況:

 待合室が混雑しており、車椅子も使用中であるため、他の手段でのサポートが難しい状況です。

看護師が直接サポートすることが最も現実的で効果的です。

 

安心感の提供:

 看護師が一緒に行くことで、Aさんに安心感を与えることができ、慌てている状況を落ち着かせることができます。

これらの理由から、「トイレまで一緒に行きましょう」という声かけが、Aさんの安全とニーズに最も適した対応となります。

選択肢4. 「転ばないように気を付けて行ってくださいね」

「転ばないように気を付けて行ってくださいね」という声かけが不適切と考えられる理由は以下の通りです。

安全性の確保が不十分:

 Aさんはふらつくことがあり、転倒のリスクが高い状況です。

この声かけでは、Aさん自身に注意を促すだけで、具体的なサポートを提供していません。

Aさんが一人で移動することは危険です。

 

サポートの欠如

Aさんは急いでトイレに行きたがっており、看護師の物理的なサポートが必要です。

単に注意を促すだけでは、Aさんの安全を確保するための十分なサポートとは言えません。

 

不安の軽減が不十分: Aさんは慌てている状況であり、看護師が一緒に行くことで安心感を与えることができます。

単に注意を促すだけでは、Aさんの不安を軽減することは難しいです。

このように、「転ばないように気を付けて行ってくださいね」という声かけは、Aさんの安全を確保するための具体的な行動を伴っていないため、不適切と考えられます。

看護師が直接サポートする「トイレまで一緒に行きましょう」がより適切な対応です。

まとめ

この状況では、Aさんは急にトイレに行きたくなり、立ち上がろうとしているが、ふらつくことがあるため、転倒のリスクがあります。さらに、待合室は混雑しており、車椅子も使用中であるため、すぐに利用できません。Aさんの安全を確保しつつ、迅速にトイレに行けるようにするためには、B看護師が直接サポートするのが最も適切です。

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02

正解は「トイレまで一緒に行きましょう」です。

Aさんは左股関節の変形性関節症を抱えており、左右の下肢の長さに差があるため、ふらつきや転倒のリスクが高くなっています。

また、T字杖を使用しているため、歩行時の安定性が低い状況です。

急いでトイレに行こうとしている場合、無理に一人で移動すると転倒の危険があります。

B看護師が付き添ってトイレに行くことで、転倒のリスクを軽減し、安全な移動をサポートするのが適切な対応です。

 

選択肢1. 「車椅子を探してきます」

待合室は混雑しており、車椅子が使用中のため、時間がかかる可能性があります。

Aさんが急いでトイレに行きたがっているため、車椅子を探してくるのは現状では適切な対応ではありません。

 

選択肢2. 「ご主人をお呼びしましょう」

ご主人を呼ぶこともサポートになりますが、Aさんはすでにトイレに行きたがっているため、すぐに行動を起こせる看護師が直接付き添う方が迅速で適切な対応となります。

 

選択肢3. 「トイレまで一緒に行きましょう」

正解。Aさんの状況(ふらつきやT字杖の使用)を考慮し、B看護師がトイレまで付き添うことで、転倒のリスクを軽減し、安全に移動できます。これは、患者の安全を確保しつつ、Aさんの急いでいる状況にも対応できる最も適切な方法です。

 

選択肢4. 「転ばないように気を付けて行ってくださいね」

Aさんのふらつきや下肢の状態を考えると、声をかけるだけでは不十分です。

実際に看護師が付き添うことで、転倒を防ぐためのサポートが求められます。

 

まとめ

Aさんのような変形性関節症で歩行が不安定な患者には、移動時の安全が最優先です。

看護師が直接付き添って安全にトイレまでサポートするのが適切な対応です。

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