看護師の過去問
第113回
午前 問110

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問題

看護師国家試験 第113回 午前 問110 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(32歳、初産婦)は妊娠39週4日で男児を正常分娩した。出生体重 3,000g、身長 48.0cm。出生直後、児に付着していた羊水を拭き取り、インファントラジアントウォーマーの下で観察を行った。その後、温めておいた衣服を着せてコットに寝かせ、コットを空調の風が当たらない場所に配置した。
産褥3日。Aさんは児の啼泣に合わせて横抱きで母乳を与えている。Aさんの乳房の型はⅢ型、熱感が出てきている。乳管は左右とも4本開通している。「抱き方は色々あると聞きました。今の方法以外の授乳の仕方はありますか」と相談を受けた。授乳の仕方を図に示す。
Aさんに適した授乳の仕方はどれか。
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この過去問の解説 (2件)

01

正解は「フットボール抱き」です。

Ⅲ型乳房は、乳房が大きく、乳頭がやや下向きに位置しているため、乳房が張りやすく、圧迫されると乳腺炎のリスクが高まることがあります。フットボール抱きは、乳房への圧迫を避けながら授乳できるため、Aさんに適しています。

 

選択肢1. 解答選択肢の画像

添え乳は、横になったまま授乳する姿勢です。

母親が疲れにくい点や、夜間の授乳時に便利ですが、乳房が張りやすく熱感がある場合は、圧迫される部分が増え、乳腺炎を引き起こす可能性があります。

 

選択肢2. 解答選択肢の画像

たて抱きは、赤ちゃんを縦に抱え、母乳を与える方法です。

この方法は、赤ちゃんが飲みやすい場合もありますが、Aさんのような乳房の型や張りが強い場合は、乳房の圧迫が少ない他の方法が推奨されます。

特に乳房が大きい場合、たて抱きでは乳首の位置が合わせにくいことがあります。

選択肢3. 解答選択肢の画像

フットボール抱きは、赤ちゃんを脇に抱えるような姿勢で、乳房が大きい、または張りが強い場合に適した授乳方法です。

この方法では乳房への圧迫を最小限に抑え、乳腺の詰まりや乳腺炎のリスクを軽減できます。

また、母乳を効果的に飲ませることができるため、Aさんの乳房の状態に適しています。

 

選択肢4. 解答選択肢の画像

交差横抱きは、通常の横抱きよりも赤ちゃんの頭を安定させやすく、母乳の飲み付きが良くなる場合が多いです。しかし、AさんのようなⅢ型の乳房や張りが強い場合には、乳房に負担がかかりやすく、他の方法に比べて乳腺炎のリスクが高まることがあるため、慎重に選ぶ必要があります。

まとめ

Aさんのように乳房が張りやすく、乳管も開通している状態では、乳房への圧迫を避けることが重要です。

母乳の飲ませ方は個々の状況に応じて工夫が必要で、Aさんの乳房の状態に合わせた方法を選ぶことが大切です。

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02

ここでは、まず産褥婦の乳房のタイプをイメージして、適切な授乳時の抱き方を判断する必要があります。

選択肢1. 解答選択肢の画像

添え乳は、児と一緒に寝転んだ状態で行う授乳方法です。

帝王切開術後の授乳などの安静が必要なとき、また痛みによって座位の姿勢が困難なときに適しています。

添え乳は、乳房がⅠ型の場合には合わせにくいことがあります。

選択肢2. 解答選択肢の画像

たて抱きは、Ⅰ・Ⅱa型に適した授乳方法です。

児が深い吸啜が困難な場合や、小さめの新生児に有効な姿勢です。

選択肢3. 解答選択肢の画像

フットボール抱きは、児の動きと乳房の角度を調整しやすい授乳方法です。

乳房の大きい母親(Ⅲ型)や早産児、吸啜の弱い児に適しています。

また、帝王切開術後には、創部を圧迫されずに授乳できるというメリットもあります。

選択肢4. 解答選択肢の画像

交差横抱きは、児の頭と乳房の角度を調節しやすい授乳姿勢で、Ⅱa・Ⅱb型に適しています。

授乳の手技に慣れないときや、小さく生まれた赤ちゃんの授乳にも有用です。

 

まとめ

実際、授乳姿勢は、乳房の型だけで決めるのではなく、児の口角の大きさ、乳頭の形状、乳頭・乳輪の柔らかさ、乳房緊満の部位などに合わせて、そのときの状態に合った抱き方で授乳を行うことが望ましいとされています。

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