看護師 過去問
第113回
問111 (午前 問111)

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問題

看護師国家試験 第113回 問111(午前 問111) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(32歳、初産婦)は妊娠39週4日で男児を正常分娩した。出生体重 3,000g、身長 48.0cm。出生直後、児に付着していた羊水を拭き取り、インファントラジアントウォーマーの下で観察を行った。その後、温めておいた衣服を着せてコットに寝かせ、コットを空調の風が当たらない場所に配置した。
日齢4。体重 2,760g。児のバイタルサインは正常である。経皮ビリルビン 10mg/dL。前日の排尿は1日4回、排便1日1回。母乳のみを哺乳している。1回の授乳に30分以上かかり、授乳後も児は啼泣している。児は音に反応して抱きつくような動きをする。
新生児のアセスメントで適切なのはどれか。
  • 異常な反射を認める。
  • 母乳不足が疑われる。
  • 黄疸が生理的範囲を超えている。
  • 体重減少が生理的範囲を超えている。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2.母乳不足が疑われる。です。

この問題では新生児は日齢4日で出生体重は3000g、ビリルビン値は10mg/dL、授乳時間30分/回、音に反応して抱きつくような動きをするという情報が重要となります。

選択肢1. 異常な反射を認める。

児は音に対して抱きつくような反応をしているため、音に対しての反応があると捉えることができます。

聴力に異常はなく、生理的な反射であるため不適切といえます。

 

選択肢2. 母乳不足が疑われる。

児は1回の授乳に30分要しており、1日の排尿回数が4回である。

新生児の排尿回数は、生後7日ごろには10回前後となるため、哺乳量不足が疑われる。

 

選択肢3. 黄疸が生理的範囲を超えている。

新生児の黄疸には生理的黄疸が存在します。

肝臓でのビリルビン排泄に必要なグルクロン酸抱合機能が未熟なため、出生後3〜5日に強くなり2週間以内に消失します。

ピークの時でビリルビン値は12〜14mg/dLのため正常範囲内です。

選択肢4. 体重減少が生理的範囲を超えている。

新生児は、胎便の排泄や不感蒸泄により体重が減少します。

出生後3〜5日には約3〜10%の生理的体重減少がみられます。

児は出生児体重3000gで日齢4。体重 2,760gのため正常範囲内といえます。

まとめ

新生児の生理的変化を理解する必要がある。

新生児の体重減少率は(出生時の体重−現在の体重)÷出生時の体重×100で計算可能である。

新生児・乳児期に見られる反射の種類と出現・消失時間を把握し、成長に伴い消失しない場合は発達遅延を疑う。

 

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02

正解は「母乳不足が疑われる」です。

児の授乳に30分以上かかり、授乳後も啼泣が続いていることは、母乳が十分に摂取できていない可能性があるため、母乳不足が疑われます。

 

選択肢1. 異常な反射を認める。

記載されている児の行動は、音に反応して抱きつくような動きをすることから、新生児反射の一つである「モロー反射」が正常に機能していると考えられます。

モロー反射は、音や突然の刺激に対して両手を広げ、次に抱きつくような動きをする正常な反射反応です。

 

選択肢2. 母乳不足が疑われる。

1回の授乳に30分以上かかり、授乳後も啼泣が続くことは、児が十分な量の母乳を摂取できていないことを示唆しています。

また、日齢4での排尿回数が1日4回と少なく、母乳が足りていない可能性があります。

通常、母乳が十分に供給されている場合、新生児の排尿回数は1日6回以上が正常です。

 

選択肢3. 黄疸が生理的範囲を超えている。

経皮ビリルビン値が10mg/dLは、日齢4の新生児において生理的黄疸の範囲内です。

生理的黄疸は、出生後2~3日から現れ、5日目にピークを迎えることが一般的で、ビリルビン値が15mg/dL未満であれば通常は問題ありません。

 

選択肢4. 体重減少が生理的範囲を超えている。

新生児は生後3~5日の間に出生体重の約5~10%の体重減少が見られます。

Aさんの児の場合、体重減少は約8%であり、生理的範囲内です。

 

まとめ

新生児のバイタルサインは正常であり、黄疸や体重減少も生理的範囲内ですが、母乳の摂取量が十分でない可能性があります。

授乳後も啼泣が続き、排尿回数が少ないことから、母乳不足が疑われるため、授乳方法や母乳量の確認が必要です。

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03

栄養不足はないか、生理的体重減少が正常から逸脱していないか、原子反射や生理的黄疸など、新生児のアセスメント項目についてしっかりと把握し判断できるようにしておきましょう。

選択肢1. 異常な反射を認める。

音に反応して抱きつくような動きをするのは、原始反射のうちの1つであるモロー反射です。

モロー反射は、在胎週数28週から出現して生後4か月ころに消失するため、異常ではありません。

選択肢2. 母乳不足が疑われる。

1回の授乳に30分以上かかっており、授乳後も児が啼泣していること、さらに尿の回数が1日4回とやや少ないことから、母乳不足の可能性が考えられます。

選択肢3. 黄疸が生理的範囲を超えている。

日齢4で出生体重が2,501g以上の児の光線療法を開始する基準値は、血清ビリルビン18mg/dLであるため、生理的範囲は超えていません。

選択肢4. 体重減少が生理的範囲を超えている。

生理的体重減少は5~10%であり、現在8%の減少となっています。

そのため、生理的範囲内と考えられます。

まとめ

新生児の観察項目として、基本的には呼吸、体温、循環などのバイタルサイン、排尿・排便状況、全身状態、体重・身長の増加程度、哺乳量、母子関係があります。

それに加え、日齢に応じて生理的黄疸の程度や血清ビリルビン値、生理的体重減少、原子反射なども観察し、アセスメントしていきます。

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