看護師の過去問
第113回
午前 問113

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問題

看護師国家試験 第113回 午前 問113 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(22歳、男性)は、高校卒業後に就職したが、同僚との関係がうまく築けず、転職を繰り返している。「他の人と自分はどこか違う。自分の将来が不安だ」と感じたAさんは精神科クリニックを受診し、自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)と診断された。
Aさんは小学生のころから他人の気持ちが理解できないときがあり、対人関係を築くことが苦手で、学校で孤立していた。また、偏食が強く、るいそうがみられたために、同級生から容姿のことでいじめられたことがあった。中学校や高校では忘れ物が多く、集団生活になじめなかった。
クリニックに通院し半年が経過した。現在、Aさんは無職である。Aさんは仕事が長続きしないことで将来への不安が強く、自身の適性にあった職場を探したいと希望している。外来看護師は主治医とも相談し、Aさんに就労移行支援のサービスについて伝えることにした。
Aさんへの説明で適切なのはどれか。
  • 「仕事が見つかるまで期限なく通所できます」
  • 「同じ障害を持つ仲間との共同生活が原則です」
  • 「一般就労に向けて知識や能力の向上を目指します」
  • 「生活リズムを整え、集団に慣れていくことが目的です」

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この過去問の解説 (2件)

01

就労移行支援とは、障害者総合支援法による障害福祉サービスの1つです。

 

選択肢1. 「仕事が見つかるまで期限なく通所できます」

就労移行支援サービスの利用は原則2年とされています。

自治体で「延長期間中に就労できる見込みがある」と判断された場合のみ、1年の延長が可能です

選択肢2. 「同じ障害を持つ仲間との共同生活が原則です」

就労移行支援サービスを受けるために、共同生活をする必要はありません。

選択肢3. 「一般就労に向けて知識や能力の向上を目指します」

就労移行支援は、障害をもつ人に働く場を提供するとともに、社会参加をして働くために必要なスキルを身につける訓練など就職に向けたサポートを行うサービスです。

選択肢4. 「生活リズムを整え、集団に慣れていくことが目的です」

就労移行支援は「一般企業での就労に必要な知識や能力を身につける」ことが目的のサービスです。

そのため、この説明は適切ではありません。

まとめ

就労移行支援のほかにも、障害者総合支援法に基づいた障害福祉サービスには、就労継続支援、就労定着支援などがあります。

それぞれのサービスの内容や特徴を確認しておきましょう。


 

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02

正解は「一般就労に向けて知識や能力の向上を目指します」です。

就労移行支援は、一般就労に向けて職業訓練やサポートを提供し、適性に合った職場で働けるよう、知識やスキルの向上を支援するサービスです。

 

選択肢1. 「仕事が見つかるまで期限なく通所できます」

就労移行支援サービスには通所期間があり、原則として最長2年間です。

Aさんに対しては、サポートには期間があることを伝え、計画的に進めることが大切です。

 

選択肢2. 「同じ障害を持つ仲間との共同生活が原則です」

就労移行支援は通所型の支援サービスであり、共同生活を送るわけではありません。

Aさんは自宅から通い、必要なスキルや知識を身につけるための支援を受けます。

 

選択肢3. 「一般就労に向けて知識や能力の向上を目指します」

就労移行支援の主な目的は、一般就労を目指して職業訓練やスキルアップを支援することです。

Aさんのように将来の仕事に不安を抱えている方にとって、就労移行支援は適性に合った職場で働けるよう準備を整えるサービスです。

 

選択肢4. 「生活リズムを整え、集団に慣れていくことが目的です」

就労移行支援では、確かに生活リズムを整えたり、集団活動に慣れるための支援も提供されますが、それは主目的ではありません。

主な目標は、Aさんが一般就労に向けた具体的なスキルを身につけ、職業適応を高めることです。

 

まとめ

Aさんのように、自閉症スペクトラム障害を持ちながら仕事に不安を感じている方にとって、就労移行支援は一般就労に向けたステップを踏むための重要なサービスです。

知識や能力を向上させるサポートを受けながら、自分に合った仕事に就くための準備を進めることができる点をしっかり説明することが重要です。

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