看護師の過去問
第113回
午前 問115
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問題
看護師国家試験 第113回 午前 問115 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(87歳、女性、要介護1)は1人暮らしで、長女(52歳、会社員)が同じマンションの隣の部屋に住んでいる。5年前に乳癌(breast cancer)ため左乳房切除術を受けた。1年前に肺への転移が確認され、胸水の貯留への対症療法のため入退院を繰り返していた。退院後は、状態観察と体調管理のため大学病院の外来を月に2回受診し、訪問介護と訪問看護を週に1回ずつ利用して在宅療養を続け「これ以上の積極的な治療はせずに自宅で最期まで過ごしたい」と話している。
ある日、長女から「最近、母は通院がつらそうで、先月は1回しか受診していません。医師の診察は大事だと思うので、受診を続けるために主治医に何を相談すればよいでしょうか」と訪問看護師に相談があった。
長女への助言で適切なのはどれか。
Aさん(87歳、女性、要介護1)は1人暮らしで、長女(52歳、会社員)が同じマンションの隣の部屋に住んでいる。5年前に乳癌(breast cancer)ため左乳房切除術を受けた。1年前に肺への転移が確認され、胸水の貯留への対症療法のため入退院を繰り返していた。退院後は、状態観察と体調管理のため大学病院の外来を月に2回受診し、訪問介護と訪問看護を週に1回ずつ利用して在宅療養を続け「これ以上の積極的な治療はせずに自宅で最期まで過ごしたい」と話している。
ある日、長女から「最近、母は通院がつらそうで、先月は1回しか受診していません。医師の診察は大事だと思うので、受診を続けるために主治医に何を相談すればよいでしょうか」と訪問看護師に相談があった。
長女への助言で適切なのはどれか。
- 緩和ケア病棟への入院
- 在宅療養支援診療所の利用
- 医師の診察を月1回に減らすこと
- 通所リハビリテーションを利用すること
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この過去問の解説 (2件)
01
Aさんは乳癌の肺転移がありますが、「積極的な治療はせず、自宅で最期まで過ごしたい」、そして「大学病院への月2回の通院がつらい」という思いを抱えています。
これらの情報から、現在のAさんにとって最適な方法は何かを考えましょう。
Aさんは「これ以上の積極的な治療はせずに自宅で最期まで過ごしたい」と話しているため、入院は患者本人の意向とは異なってしまいます。
最大限、患者・家族の希望に寄り添った看護を提供することが大切であり、今のAさんにとって、この選択肢は適切ではありません。
在宅療養支援診療所は、自宅で療養を希望する患者を支援する医療機関であり、訪問診療も可能です。
「最近、母は通院がつらそう」という長女の発言から、今のAさんにとって苦痛となっているのは大学病院への受診だとわかります。
また、Aさんは積極的な治療を望んでいないため、受診しやすい近くの診療所・訪問診療の利用が適切だと考えられます。
癌が肺へ転移していることと、胸水の貯留があり、呼吸困難や胸痛の増強が心配な状態です。
診察回数を減らすと、病状の把握ができずに異常の発見が遅れてしまう可能性があり、適切とはいえません。
Aさんはターミナル期の段階であるため、積極的にリハビリテーションを行う時期ではないと考えられます。
よって、この選択肢は、今のAさんにとって適切ではありません。
どのような最期を迎えたいのかは、それぞれの患者・家族によって異なります。
患者本人や家族の意向を確認し、できる限り希望に沿った看護ができるようにかかわりましょう。
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02
正解は「在宅療養支援診療所の利用」です。
Aさんの希望である「自宅で最期まで過ごしたい」という意向に沿い、在宅療養支援診療所を利用することで、主治医や医療スタッフが自宅に訪問して診察を行い、通院の負担を軽減することができます。
緩和ケア病棟は、終末期の苦痛を緩和し、穏やかな時間を過ごすための場所ですが、Aさんは「自宅で最期まで過ごしたい」という意向を示しています。
そのため、現時点での入院はAさんの意向に反しているため、適切ではありません。
在宅療養支援診療所は、自宅で療養を希望する患者を支援する医療機関です。
訪問診療が可能で、医師が定期的に自宅を訪問して診察や治療を行います。
Aさんのように通院がつらい場合、訪問診療は通院の負担を大幅に軽減し、在宅での療養生活を支える有効な方法です。
通院回数を減らすことは、一時的に負担を軽減できるかもしれませんが、Aさんの病状や状態観察が十分に行えなくなる可能性があります。通院がつらい場合、回数を減らすよりも在宅で診察を受ける方法(訪問診療)を考える方が、Aさんにとって安心で負担の少ない方法です。
通所リハビリテーションは、身体機能の維持や回復を目的としたサービスですが、Aさんの状況はがんの終末期に近く、体調も良くないため、通所はかえって負担になる可能性があります。
また、Aさんは「積極的な治療は望まない」と述べているため、この選択肢は適切ではありません。
Aさんは自宅で最期を迎えたいという意向を持っており、通院が負担となっている状況です。
そこで、在宅で医療を受けられる在宅療養支援診療所の利用を提案することが、Aさんの希望を尊重し、かつ医療的なサポートを確保するための適切な方法です。
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