看護師の過去問
第113回
午後 問117

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問題

看護師国家試験 第113回 午後 問117 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(14歳、男子、特別支援学校の中学生)はDchenneu<デュシェンヌ>型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy)で両親、弟(7歳)と2階建ての家に4人で暮らしている。呼吸障害が進行したため非侵襲的陽圧換気療法を導入する目的で入院した。Aさんの呼吸状態は安定し、両親に対するバッグバルブマスクによる用手換気の指導が終了したため、自宅に退院し訪問看護を毎日利用して療養生活を続けることになった。両親は「日常の呼吸管理について退院後に対応できるか心配です」と病棟の看護師に話した。
退院後6か月。Aさんは人工呼吸器を装着して特別支援学校に通学することにも慣れてきた。Aさんの母親から「弟がインフルエンザと診断された。弟は2階の子ども部屋、Aは1階のリビングで過ごしている。家族全員がインフルエンザの予防接種を受けた。Aにインフルエンザがうつらないか心配」と訪問看護師に連絡があった。
訪問看護師の対応で適切なのはどれか。
  • Aさんが特別支援学校を2週間休むことを勧める。
  • Aさんが感染予防の目的で入院することを医師に相談する。
  • Aさんは予防接種を受けているのでうつらないと説明する。
  • ケアを父母で分担し、弟の担当は弟以外と接触しないことを提案する。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題を解くポイントは、人工呼吸器を装着している患者への感染管理を把握していることが重要です。

選択肢1. Aさんが特別支援学校を2週間休むことを勧める。

不正解

現在、Aさん自身に風邪症状は認められず、インフルエンザワクチン接種済みであることを考慮すると、学校を2週間休まなければいけない根拠にはなりません。

 

選択肢2. Aさんが感染予防の目的で入院することを医師に相談する。

不正解

Aさんは風邪症状なく、インフルエンザワクチン接種済みですので、感染予防目的での入院することは現状から優先度として低いと考えます。

選択肢3. Aさんは予防接種を受けているのでうつらないと説明する。

不正解

インフルエンザワクチンを接種しているからうつらないと断言することはできません。

ワクチン接種することで、インフルエンザにかかっても症状が軽く済む場合があります。

選択肢4. ケアを父母で分担し、弟の担当は弟以外と接触しないことを提案する。

正解

同居家族がインフルエンザにかかった場合の一番の感染対策は、接触させないことです。

弟がインフルエンザ症状が続いている場合は、Aさんの介護をする家族とAさんは接触を避けることが重要です。

まとめ

Aさんは人工呼吸器を装着しており、常に感染のリスクにさらされています。同居家族のインフルエンザ罹患でAさん自身へのインフルエンザ罹患するリスクは高い状態にありますので、日々の病状の変化には十分に気をつける必要があります。

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02

ケアを父母で分担し、弟の担当は弟以外と接触しないことを提案するが適切です。

Aさんは感染リスクが高く、インフルエンザ感染を予防するためには、家庭内で感染源となる弟との接触を最小限に抑えることが重要です。家族内でのケアの分担と、感染予防策の徹底が効果的です。

 

選択肢1. Aさんが特別支援学校を2週間休むことを勧める。

学校での感染リスクも考慮する必要はありますが、家庭内での感染予防策が徹底されている場合、学校を休む必要性は必ずしも高くありません。

Aさんの社会的活動や日常生活の維持を考えると、学校を休むことを第一に勧めるのは不適切です。

 

選択肢2. Aさんが感染予防の目的で入院することを医師に相談する。

入院は最終的な手段であり、家庭内で感染予防策が徹底できる場合は不要です。

インフルエンザのリスクを過剰に強調することで、家族に不安を与える可能性もあります。

 

選択肢3. Aさんは予防接種を受けているのでうつらないと説明する。

予防接種は重症化の予防に有効ですが、インフルエンザへの感染を完全に防げるわけではありません。

選択肢4. ケアを父母で分担し、弟の担当は弟以外と接触しないことを提案する。

家族内感染を防ぐためには、弟のケアを特定の家族が担当し、他の家族との接触を最小限にすることが効果的です。

また、弟をケアする際にはマスクの着用や手指衛生を徹底するよう助言します。

 

まとめ

感染リスクの高いAさんを守るためには、家庭内での感染予防が最優先です。

訪問看護師は、家族が不安を感じる場面で具体的な感染対策を提案し、家族全員が予防策を理解して実行できるよう支援することが重要です。

また、Aさんの社会的な活動を維持するためのバランスを考慮し、家族の心理的負担を軽減する姿勢も大切です。

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