看護師の過去問
第113回
午後 問116

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問題

看護師国家試験 第113回 午後 問116 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(14歳、男子、特別支援学校の中学生)はDchenneu<デュシェンヌ>型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy)で両親、弟(7歳)と2階建ての家に4人で暮らしている。呼吸障害が進行したため非侵襲的陽圧換気療法を導入する目的で入院した。Aさんの呼吸状態は安定し、両親に対するバッグバルブマスクによる用手換気の指導が終了したため、自宅に退院し訪問看護を毎日利用して療養生活を続けることになった。両親は「日常の呼吸管理について退院後に対応できるか心配です」と病棟の看護師に話した。
退院後1週。Aさんの父親から「最近、大雨や落雷、地震による被災の報道が多くて、Aは人工呼吸器を付けているし、弟もまだ小さいので不安です。災害に備え何をすればよいでしょうか」と訪問看護師に相談があった。
訪問看護師がAさんの父親に説明する内容で優先度が高いのはどれか。
  • 非常用電源の選び方
  • 福祉避難所への移動手段
  • 足踏み式吸引器の使用方法
  • ハザードマップの確認方法

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題を解くポイントは、在宅で人工呼吸器を装着している患者への災害対策の優先順位を把握しているかどうかになります。

選択肢1. 非常用電源の選び方

正解

人工呼吸器を使用する患者にとって、電力の供給は生命維持に不可欠です。

災害時には停電のリスクが高いため、長時間の停電に備える必要があります。

選択肢2. 福祉避難所への移動手段

不正解

災害時に患者を安全な場所に移動させることは重要ですが、移動中や避難先で人工呼吸器を稼働させるため、非常用電源の確保の方が、優先度が高くなります。

選択肢3. 足踏み式吸引器の使用方法

不正解

停電時に痰の吸引を行うための手段として必要なケースがありますが、人工呼吸器を稼働させる方が優先度が高いです。

選択肢4. ハザードマップの確認方法

不正解

避難経路や避難場所を計画させる際には役立ちますが、生命維持に直結する非常用電源の確保が優先度が高いです。

まとめ

非常用電源の確保を最優先し、災害時でも人工呼吸器が安全に稼働できるように災害対策を立てることが、患者の命を守るための重要な対策です。

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02

「非常用電源の選び方」が優先度が高い説明内容です。

Aさんは人工呼吸器を使用しているため、停電時でも安全に呼吸管理が継続できるよう、非常用電源の確保が最も重要です。

災害時でも命に直結する呼吸管理が維持されます。

 

選択肢1. 非常用電源の選び方

人工呼吸器の稼働に必要な電源を確保するため、ポータブルバッテリーや発電機などの非常用電源の種類や選び方について説明します。また、電源の容量や稼働時間、充電方法についても具体的に指導します。

この内容は、Aさんの生命維持に直結するため最も優先度が高いです。

 

選択肢2. 福祉避難所への移動手段

福祉避難所の利用は災害時の重要な対策ですが、移動手段や場所の確認は事前の準備の一環であり、緊急時の電源確保に比べると優先度は低いです。

ただし、人工呼吸器や関連機器が使用できる避難所の情報を確認しておくことは重要です。

 

選択肢3. 足踏み式吸引器の使用方法

災害時に停電などで電動吸引器が使用できなくなる場合に備え、足踏み式吸引器を準備し、その使用方法を理解することは必要です。

しかし、人工呼吸器の稼働を優先して確保することが最優先であり、その次の段階で説明すべき内容です。

選択肢4. ハザードマップの確認方法

ハザードマップの確認は、災害時の安全確保のために重要ですが、停電により生命維持装置が機能しなくなるリスクに比べると、優先度は下がります。

電源確保の準備を整えた後に行うべき内容です。

 

まとめ

非常用電源の確保は、人工呼吸器使用者にとって最優先事項です。

訪問看護師は、Aさんの状況に応じた具体的な対策を説明し、家族が安心して災害に備えられるように支援することが重要です。

また、福祉避難所の利用計画や吸引器の使用法も段階的に説明し、総合的な災害対策を進めることが望まれます。

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