看護師 過去問
第114回
問221 (午後 問101)

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問題

看護師試験 第114回 問221(午後 問101) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(80歳、女性)は、アパートの1階に1人で暮らしている。半年前に軽度のAlzheimer<アルツハイマー>型認知症(Alzheimer disease)と診断され、抗認知症薬の内服治療を開始した。要支援2の認定を受けている。
Aさんが屋内でぐったりしているのを訪問した近所の人が発見し、救急搬送された。来院時のバイタルサインは、体温36.5℃、呼吸数20/分、脈拍92/分、血圧130/82mmHgで、皮膚に軽度の発汗がみられた。頭痛や吐き気はなかった。看護師がAさんに状況を聞くと、最近は食欲がなく、食べたり飲んだりしていなかったし、昨日は排尿回数も普段より少なかったと話した。
Aさんは、経過を観察するため入院となった。入院2日、Aさんの全身状態は改善し、食事が開始された。Aさんは歩行時にふらつきがあるため、看護師が見守ることになった。看護師はベッドから離れるときは、ナースコールを押すようにAさんに説明した。そのときAさんは「忘れずにできるかしら」と呟いた。しばらくすると、Aさんが1人で移動しているところを看護師が発見した。
Aさんへの対応で適切なのはどれか。
  • ヒッププロテクターを使用する。
  • ベッドサイドに車椅子を設置する。
  • ナースコールが目立つように目印をつける。
  • 爪先が床につくようにベッドの高さを調整する。

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この過去問の解説 (1件)

01

結論:ナースコールが目立つように目印をつける
Aさんは軽い認知症があり、「忘れずにできるかしら」と不安を口にしています。

つまり、ナースコールの存在や場所を覚えにくいことが主な問題です。

ボタンに色テープや大きなシールを貼って目立たせれば、視覚的手がかりで思い出しやすくなり、呼び出し行動を促せます。

選択肢1. ヒッププロテクターを使用する。

転倒による骨折予防には有効ですが、「呼び出しを忘れて単独行動してしまう」原因そのものを解決しません。

まずはコールを押せる環境づくりが先です。

選択肢2. ベッドサイドに車椅子を設置する。

車椅子が近くにあると「自分で移動してよい」と誤解しやすく、無断離床を助長する恐れがあります。

見守りが必要な現時点では不適切です。

選択肢3. ナースコールが目立つように目印をつける。

視覚刺激は記憶を補い、押し忘れを減らすシンプルで効果的な方法です。

Aさんの発言に直接対応した介入となります。

選択肢4. 爪先が床につくようにベッドの高さを調整する。

立ち上がり動作を安定させる目的では有用ですが、やはりコール忘れの課題は残ります。

まずは安全に“呼ぶ”仕組みを優先します。

まとめ

軽度認知症では「場所・手順を忘れる」ことが転倒リスクの一因です。

視覚的に目立たせる工夫は、記憶を補助し自立を保ちながら安全性も高めます。

状態が変われば、ヒッププロテクター装着や車椅子訓練など次の段階の対策を検討するとよいでしょう。

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