司法書士の過去問
令和5年度
午後の部 問24
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問題
令和5年度 司法書士試験 午後の部 問24 (訂正依頼・報告はこちら)
根抵当権の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
ア Aを所有権の登記名義人とする甲土地について、Bを根抵当権者とする根抵当権を設定した場合において、登記原因を証する情報に被担保債権の範囲として「信託取引」と記載されているときは、「信託取引」を当該根抵当権の債権の範囲として当該根抵当権の設定の登記を申請することができる。
イ 元本の確定前の根抵当権の登記名義人であるAが死亡し、その相続人がB及びCである場合において、BとCとの間で当該根抵当権が担保している既発生の債権をBが相続しない旨の遺産分割協議がされたときは、民法第398条の8第1項の合意により定めた相続人としてBを根抵当権者とする同項の合意の登記を申請することはできない。
ウ A及びBを登記名義人とする元本の確定前の根抵当権について、AがBに先立って弁済を受けるべきことを定めた場合には、Aを登記権利者、Bを登記義務者として、当該根抵当権の優先の定めの登記を申請することができる。
エ Aを所有権の登記名義人とする甲土地について、Bを根抵当権者とする元本が確定した根抵当権の設定の登記がされている場合において、Aから甲土地の所有権を取得し、その所有権の登記名義人となったCが、当該根抵当権の消滅請求をしたときは、Cは、当該根抵当権の抹消の登記の登記原因を証する情報として、当該根抵当権の極度額に相当する金額を供託したことを証する供託書正本を添付して、単独で当該根抵当権の抹消の登記を申請することができる。
オ Aを所有権の登記名義人とする甲土地について、Bを根抵当権者とする令和5年6月30日設定を登記原因及びその日付とする根抵当権の設定の登記を申請する場合において、登記原因を証する情報に元本の確定期日として「令和5年6月30日から3年間」と記載されているときであっても、当該元本の確定期日について「令和5年6月30日から3年間」を申請情報の内容として登記を申請することはできない。
(参考)
民法
第398条の8 元本の確定前に根抵当権者について相続が開始したときは、根抵当権は、相続開始の時に存する債権のほか、相続人と根抵当権設定者との合意により定めた相続人が相続の開始後に取得する債権を担保する。
2~4(略)
ア Aを所有権の登記名義人とする甲土地について、Bを根抵当権者とする根抵当権を設定した場合において、登記原因を証する情報に被担保債権の範囲として「信託取引」と記載されているときは、「信託取引」を当該根抵当権の債権の範囲として当該根抵当権の設定の登記を申請することができる。
イ 元本の確定前の根抵当権の登記名義人であるAが死亡し、その相続人がB及びCである場合において、BとCとの間で当該根抵当権が担保している既発生の債権をBが相続しない旨の遺産分割協議がされたときは、民法第398条の8第1項の合意により定めた相続人としてBを根抵当権者とする同項の合意の登記を申請することはできない。
ウ A及びBを登記名義人とする元本の確定前の根抵当権について、AがBに先立って弁済を受けるべきことを定めた場合には、Aを登記権利者、Bを登記義務者として、当該根抵当権の優先の定めの登記を申請することができる。
エ Aを所有権の登記名義人とする甲土地について、Bを根抵当権者とする元本が確定した根抵当権の設定の登記がされている場合において、Aから甲土地の所有権を取得し、その所有権の登記名義人となったCが、当該根抵当権の消滅請求をしたときは、Cは、当該根抵当権の抹消の登記の登記原因を証する情報として、当該根抵当権の極度額に相当する金額を供託したことを証する供託書正本を添付して、単独で当該根抵当権の抹消の登記を申請することができる。
オ Aを所有権の登記名義人とする甲土地について、Bを根抵当権者とする令和5年6月30日設定を登記原因及びその日付とする根抵当権の設定の登記を申請する場合において、登記原因を証する情報に元本の確定期日として「令和5年6月30日から3年間」と記載されているときであっても、当該元本の確定期日について「令和5年6月30日から3年間」を申請情報の内容として登記を申請することはできない。
(参考)
民法
第398条の8 元本の確定前に根抵当権者について相続が開始したときは、根抵当権は、相続開始の時に存する債権のほか、相続人と根抵当権設定者との合意により定めた相続人が相続の開始後に取得する債権を担保する。
2~4(略)
- アイ
- アオ
- イウ
- ウエ
- エオ
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この過去問の解説 (1件)
01
不動産登記法(根抵当権の登記)に関する問題です。不動産登記法に関する問題では、根抵当権の論点は最重要論点です。合格するためには、この論点を徹底的に習得する必要があります。
(ア)「信託取引」は、根抵当権の担保すべき債権の範囲として登記できるものに該当するため、本肢は正しいです。
(イ)根抵当権者Aが死亡し、その相続人がB及びCである場合、B及びCの間の遺産分割協議において当該根抵当権によって担保されている債権をBが相続しないことが決まった場合でも、Bを指定根抵当権者とする根抵当権の指定根抵当権者の合意の登記をすることができます。従って、本肢は誤りです。
(ウ)根抵当権の共有者の優先の定めの登記は、根抵当権の共有者全員が共同して申請します。Aを登記権利者、Bを登記義務者として共同で申請する者ではありません。従って、本肢は誤りです。
(エ)根抵当権の消滅請求により当該根抵当権が消滅したときは、消滅請求を登記原因として、根抵当権の登記を抹消します。この登記は、消滅請求をしたものを登記権利者、根抵当権の登記名義人を登記義務者として共同して申請します。従って、本肢は誤りです。
(オ)根抵当権の設定契約において元本確定期日の定めがなされた場合には、根抵当権の申請情報の内容として、その定めを提供する必要があります。元本の確定期日は、根抵当権設定の日から5年以内の日付けをもって定めることを要します。従って、「令和5年6月30日から3年間」のような期間をもって定めることはできないので、本肢は正しいです。
(イ)(ウ)は非常に有名な論点で、これが正しく判定できれば、正解は(ア)(オ)か(エ)(オ)の2択に絞れます。(エ)を何とか間違いであると判断できれば、正答できます。
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