司法書士の過去問
令和5年度
午後の部 問32
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問題
令和5年度 司法書士試験 午後の部 問32 (訂正依頼・報告はこちら)
取締役会設置会社における資本金の額の変更の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
ア 株式の発行と同時に準備金の額を減少する場合において、当該準備金の額の減少の効力が生ずる日後の準備金の額が当該日前の準備金の額を下回らないときは、準備金の資本組入れによる変更の登記の申請書には、当該準備金の資本組入れに関する株主総会の議事録を添付しなければならない。
イ 株式の発行と同時に資本金の額を減少する場合において、当該資本金の額の減少の効力が生ずる日後の資本金の額が当該日前の資本金の額を下回らないときは、資本金の額の変更の登記の申請書には、当該資本金の額の減少に関する株主総会の議事録を添付しなければならない。
ウ 臨時株主総会の普通決議により、剰余金の額を減少して、資本金の額を増加することとしたときは、当該臨時株主総会の議事録を添付して、資本金の額の変更の登記を申請することができる。
エ 会計監査人設置会社が、臨時株主総会の普通決議により、資本金の額を減少することとした場合において、減少する資本金の額が当該臨時株主総会の日における欠損の額を超えないときは、当該臨時株主総会の議事録を添付して、資本金の額の変更の登記を申請することができる。
オ 利益準備金の額を減少し、減少する利益準備金の一部を資本金とする資本金の額の変更の登記の申請書には、当該利益準備金の資本組入れに関する株主総会の議事録を添付しなければならない。
ア 株式の発行と同時に準備金の額を減少する場合において、当該準備金の額の減少の効力が生ずる日後の準備金の額が当該日前の準備金の額を下回らないときは、準備金の資本組入れによる変更の登記の申請書には、当該準備金の資本組入れに関する株主総会の議事録を添付しなければならない。
イ 株式の発行と同時に資本金の額を減少する場合において、当該資本金の額の減少の効力が生ずる日後の資本金の額が当該日前の資本金の額を下回らないときは、資本金の額の変更の登記の申請書には、当該資本金の額の減少に関する株主総会の議事録を添付しなければならない。
ウ 臨時株主総会の普通決議により、剰余金の額を減少して、資本金の額を増加することとしたときは、当該臨時株主総会の議事録を添付して、資本金の額の変更の登記を申請することができる。
エ 会計監査人設置会社が、臨時株主総会の普通決議により、資本金の額を減少することとした場合において、減少する資本金の額が当該臨時株主総会の日における欠損の額を超えないときは、当該臨時株主総会の議事録を添付して、資本金の額の変更の登記を申請することができる。
オ 利益準備金の額を減少し、減少する利益準備金の一部を資本金とする資本金の額の変更の登記の申請書には、当該利益準備金の資本組入れに関する株主総会の議事録を添付しなければならない。
- アエ
- アオ
- イウ
- イエ
- ウオ
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この過去問の解説 (1件)
01
商業登記法(資本金の額の変更登記)に関する問題です。資本金に関する分野も、司法書士試験の商業登記法においては、頻出分野の1つに該当します。
(ア)株式会社が準備金の額を減少するときは、原則として、株主総会の普通決議によって準備金の減少に関する事項を定めなくてはなりません。しかし、株式会社が株式の発行と同時に準備金を減少する場合において、当該準備金の額の減少の効力が生じる日後の準備金の額が、当該日前の準備金の額を下回らないときは、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって、することができます。従って、本肢は株主総会の決議が必要だとしているため、誤りです。
(イ)株式会社が資本金の額を減少するときは、原則として、株主総会の特別決議により資本金の額の減少に関する事項を定めなくてはなりません。ただし、株式の発行と同時に資本金の額を減少する場合で、当該資本金の効力発生日における資本金額が当該日前の資本金の額を下回らないときは、取締役の決定(取締役会設置会社の場合には、取締役会の決議)によりすることができます。従って、本肢は株主総会の決議が必要だとしているため、誤りです。
(ウ)剰余金の資本組み入れは、株主総会の決議によってしなければなりませんが、この株主総会は定時総会によるものに限られません。また、剰余金の額の減少に関する事項を定める株主総会の決議は、普通決議によりすることができます。従って、本肢の場合は、臨時株主総会の議事録を申請書に添付して資本金の額の変更登記ができるので、正しいです。
(エ)株式会社が資本金の額の減少をするときは、株主総会の特別決議により、資本金の額の減少に関する事項を定めなくてはなりません。ただし、定時株主総会において当該事項を定め、かつ、減少する資本金の額が原則として、当該定時株主総会の日における欠損の額として法務省令で定める方法に算定される額を超えないときは、普通決議により資本金の減少に関する事項を定めることができます。この場合は、資本金の減少による変更登記申請書には、定時株主総会議事録と一定の欠損額が存在することを証する書面を添付しなければなりません。本肢の場合は、臨時株主総会で資本金の減少に関する事項を定めているため、資本金の額の減少による変更登記をすることができず、誤りです。
(オ)株式会社が準備金の額を減少する場合には、原則として、株主総会の普通決議によって準備金の減少に関する事項を定めなければなりません。ただし、株式会社が株式の発行と同時に準備金の額を減少する場合において、当該準備金の額が減少の効力が生ずる日後の準備金の額が当該日前の準備金の額を下回らないときは、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては取締役会の決議)によって、することができます。しかし本肢の場合は、取締役の決定等で準備金の額の減少に関する事項を定めることができる場合に該当しないので、正しいです。
大変難しい問題でしたが組み合わせ問題なので、5枝のうち2つか3つの枝の論点を正しく判断できれば、何とか正解することができます。
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