司法書士 過去問
令和6年度
問42 (午後の部 問7)
問題文
民事執行における債務者の財産状況の調査に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 債務者の財産について一般の先取特権を有する債権者であっても、その被担保債権について執行力のある債務名義の正本を有しない場合には、当該債務者について、財産開示手続を申し立てることができない。
イ 財産開示手続の申立人以外の者であっても、債務者に対する金銭債権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者は、当該財産開示手続に係る事件の記録中財産開示期日に関する部分の閲覧をすることができる。
ウ 貸金返還請求権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者は、第三者からの情報取得手続において、債務者の給与債権に係る情報の提供を求めることができる。
エ 債務者の預貯金債権に関する金融機関からの情報取得手続は、先に財産開示期日における手続が実施されていなければ、申し立てることができない。
オ 第三者からの情報取得手続の申立人は、当該手続において得られた債務者の財産に関する情報を、当該債務者に対する債権をその本旨に従って行使する目的以外の目的のために利用し、又は提供してはならない。
ア 債務者の財産について一般の先取特権を有する債権者であっても、その被担保債権について執行力のある債務名義の正本を有しない場合には、当該債務者について、財産開示手続を申し立てることができない。
イ 財産開示手続の申立人以外の者であっても、債務者に対する金銭債権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者は、当該財産開示手続に係る事件の記録中財産開示期日に関する部分の閲覧をすることができる。
ウ 貸金返還請求権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者は、第三者からの情報取得手続において、債務者の給与債権に係る情報の提供を求めることができる。
エ 債務者の預貯金債権に関する金融機関からの情報取得手続は、先に財産開示期日における手続が実施されていなければ、申し立てることができない。
オ 第三者からの情報取得手続の申立人は、当該手続において得られた債務者の財産に関する情報を、当該債務者に対する債権をその本旨に従って行使する目的以外の目的のために利用し、又は提供してはならない。
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問題
司法書士試験 令和6年度 問42(午後の部 問7) (訂正依頼・報告はこちら)
民事執行における債務者の財産状況の調査に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 債務者の財産について一般の先取特権を有する債権者であっても、その被担保債権について執行力のある債務名義の正本を有しない場合には、当該債務者について、財産開示手続を申し立てることができない。
イ 財産開示手続の申立人以外の者であっても、債務者に対する金銭債権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者は、当該財産開示手続に係る事件の記録中財産開示期日に関する部分の閲覧をすることができる。
ウ 貸金返還請求権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者は、第三者からの情報取得手続において、債務者の給与債権に係る情報の提供を求めることができる。
エ 債務者の預貯金債権に関する金融機関からの情報取得手続は、先に財産開示期日における手続が実施されていなければ、申し立てることができない。
オ 第三者からの情報取得手続の申立人は、当該手続において得られた債務者の財産に関する情報を、当該債務者に対する債権をその本旨に従って行使する目的以外の目的のために利用し、又は提供してはならない。
ア 債務者の財産について一般の先取特権を有する債権者であっても、その被担保債権について執行力のある債務名義の正本を有しない場合には、当該債務者について、財産開示手続を申し立てることができない。
イ 財産開示手続の申立人以外の者であっても、債務者に対する金銭債権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者は、当該財産開示手続に係る事件の記録中財産開示期日に関する部分の閲覧をすることができる。
ウ 貸金返還請求権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者は、第三者からの情報取得手続において、債務者の給与債権に係る情報の提供を求めることができる。
エ 債務者の預貯金債権に関する金融機関からの情報取得手続は、先に財産開示期日における手続が実施されていなければ、申し立てることができない。
オ 第三者からの情報取得手続の申立人は、当該手続において得られた債務者の財産に関する情報を、当該債務者に対する債権をその本旨に従って行使する目的以外の目的のために利用し、又は提供してはならない。
- アウ
- アエ
- イウ
- イオ
- エオ
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この過去問の解説 (2件)
01
訴訟に勝訴したとしても、債務者に財産がなければ意味をなさないものになってしまうため、財産開示手続きは認められています。民事執行法の他の手続きと比較しながら学習を進めましょう。
各選択肢については以下の通りです。
ア: 財産開示手続きの申立て権者は、①金銭債権の執行力のある債務名義の正本を有する債権者②一般先取特権を有することを証する文書を提出した債権者に限られます。
ウ: 第三者からの情報取得手続きに関して、債務者の給与債権に係る情報の提供を求めることができるのは①扶養料等債権の債権者②生命・身体侵害による損害賠償請求権を有する債権者に限られます。
エ: 債務者の預貯金債権に関する金融機関からの情報取得手続は、先に財産開示手続きが実施されている必要はありません。一方で、不動産情報や給与債権の情報については、先に財産開示手続きが実施されている必要があります。
イ: 財産開示事件の事件の記録の閲覧は、①財産開示手続きの申立人②財産開示手続きの申立て権を有する他の債権者③債務者・開示義務者に限定されます。
オ: 債権者は、第三者からの情報手続きにおいて得られた債務者の財産に関する情報を、当該債務者に対する債権をその本旨に従って行使する目的外の目的のために利用し又は提供してはなりません。
解説は他選択肢に記載しておりますので、そちらを参照してください。
第三者からの情報取得手続きは近年始まった制度ですので、これを機に理解しておきましょう。
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02
財産開示手続および第三者からの情報取得手続に関する問題です。
関連する条文について押さえておきましょう。
✕誤った選択肢です。
民事執行法第197条2項において、「執行裁判所は、次の各号のいずれかに該当するときは、債務者の財産について一般の先取特権を有することを証する文書を提出した債権者の申立てにより、当該債務者について、財産開示手続を実施する旨の決定をしなければならない。・・・」と定められています。一般先取特権を有する債権者については、債務名義の正本の有無が財産開示手続の要件にはなりません。
よって本肢は誤りです。
◯正しい選択肢です。
民事執行法第201条において、「財産開示事件の記録中財産開示期日に関する部分についての第十七条の規定による請求は、次に掲げる者に限り、することができる。
・・・
二 債務者に対する金銭債権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者
・・・」と定められています。
よって本肢は正しい選択肢です。
✕誤った選択肢です。
民事執行法第209条2項において、「第二百六条の規定による第三者からの情報取得手続に係る事件の記録中前条第一項の情報の提供に関する部分についての第十七条の規定による請求は、次に掲げる者に限り、することができる。
一 申立人
二 債務者に対する第百五十一条の二第一項各号に掲げる義務に係る請求権又は人の生命若しくは身体の侵害による損害賠償請求権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者
三 債務者
四 当該情報の提供をした者」と定められています。「貸金返還請求権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者」は請求権者に含まれていません。
よって本肢は誤りです。
✕誤った選択肢です。
民事執行法第205条2項において、「前項の申立て[不動産に係る情報の取得]は、財産開示期日における手続が実施された場合(当該財産開示期日に係る財産開示手続において第二百条第一項の許可がされたときを除く。)において、当該財産開示期日から三年以内に限り、することができる。」と定められています。財産開示期日における手続の後でなければ申し立てることが出来ないものは、不動産に係る情報の取得と、同項を準用している給与債権に係る情報の取得(第206条2項)です。
よって本肢は誤りです。
◯正しい選択肢です。
民事執行法第210条1項において、「申立人は、第三者からの情報取得手続において得られた債務者の財産に関する情報を、当該債務者に対する債権をその本旨に従つて行使する目的以外の目的のために利用し、又は提供してはならない。」と定められています。
よって本肢は正しい選択肢です。
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