公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午前 問1

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問題

公認心理師試験 第1回(2018年) 午前 問1 (訂正依頼・報告はこちら)

サイコロジカル・ファーストエイドを活用できる場面として、最も適切なものを1つ選べ。
  • インテーク面接
  • 予定手術前の面接
  • 心理検査の実施場面
  • 事故現場での被害者の救援
  • スクールカウンセリングの定期面接

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この過去問の解説 (3件)

01

サイコロジカル・ファーストエイド(Psychological First Aid ; PFA)は、
日本語では「心理的応急処置」といいます。
深刻な危機的出来事(災害・犯罪・紛争等)に見舞われた人に対して行う
人道的・支持的・実際的な心理・社会的支援のことです。

これを踏まえると、
4.事故現場での被害者の救援
が正しいとわかります。

1.インテーク面接は、初回面接のことです。

2.予定手術前は緊張度の高い状況下での面接であることが考えられますが、
サイコロジカル・ファーストエイドを活用する“危機的状況下の被害者”には
該当しないと判断されます。

3.心理検査の実施場面は危機的状況下ではありません。

4.これが正しいです。

5.学校における定期面接は危機的状況下の被害者とは限りません。
もちろん、場合によっては学校内に危機的状況が起きることもありますが、
“定期面接”に関してサイコロジカル・ファーストエイドの活用は考えにくいです。

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02

正解は4です。

サイコロジカル・ファーストエイド(PFA)とは、
心的応急処置のことです。
PTSDなどを生じさせるような突発的な災害や事故を体験し、
深刻なストレス状況に曝された人に対する応急処置的な支援方法です。

各選択肢については、以下の通りです。

1→インテーク面接とは、初回面接のことです。
よって選択肢は、誤りです。

2→インフォームドコンセント(IC)等が予定手術前の面接にあたります。
よって選択肢は、誤りです。

3→心理検査は、事前に予約や説明を行ったうえで実施します。
そのため、心理検査の実施場面は、応急処置的な支援とは言えません。
よって選択肢は、誤りです。

4→PFAは、災害や事故等の出来事に対して行われるものです。
よって選択肢は、正しいです。

5→選択肢は、定期面接とあるように、事前の予約等が前提です。
よって選択肢は、誤りです。

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03

この問題で覚えておくべきポイントは、以下の通りです。①サイコロジカル・ファーストエイド(PFA)の対象が誰であるか、②どのような立場の方が実施することが求められているのか、③いつ、どこで行うことができるのか、について確認しておきましょう。

どのような経緯で誕生したか、歴史的背景も合わせて理解しておくと、活用できる場面は自然と想像することができると思います。

それでは、問題を見てみましょう。

選択肢1. インテーク面接

対象者の具体的な課題を見つける・整理することを目的としていますが、対象者自身が、自分自身に課題があるという事実を理解している状態で行われます。

 

PFAにおいては、対象者自身が重大な危機的出来事にあったばかりで苦しんでいる人ではありますが、自身に明確な課題があると認識する前に行われるものであり、かつ自ら出向くというよりは、実施者が寄り沿い対応するため、間違いです。

選択肢2. 予定手術前の面接

対象者は自分の手術を行うという明確な目的を認識しています。医師または看護師など手術に直接関係する方々により行われる面接です。

 

PFAは、専門家にしかできないものではありません。専門家が行うカウンセリングとは異なり、ただ話を聞き、心が落ち着けるように手助けをするため、間違いです。

選択肢3. 心理検査の実施場面

心理検査の実施場面では、その検査を行う目的に沿い、予め決められた内容を説明し、手順に沿って検査を行います。

 

PFAでは、心理検査を行うことはないため、間違いです。

選択肢4. 事故現場での被害者の救援

事故は突発的に起こります。突然の出来事で状況を把握しきれないものです。

確かに事故現場でのすべての方が苦しみを感じていること、つまりPFAを必要としたり、求めているわけではありませんが、少なくともその可能性はあります。

そのため、正解です。

選択肢5. スクールカウンセリングの定期面接

学校という限定された場で、治療としての面接です。

 

PFAでは治療を前提として対応しません。また危機的な出来事が生じていることが条件となりますので、間違いです。

まとめ

PFAの対象は、重大な危機的出来事にあったばかりの人です。実施者は専門家にしかできないものではない、そのため治療を行うものではなく、場所も安全なところであれば、病院や施設に限定せず、どこでも、出来事の発生直後から行うことができる、ということを押さえておきましょう。

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