公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午前 問15

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問題

公認心理師試験 第1回(2018年) 午前 問15 (訂正依頼・報告はこちら)

E. H. Erikson のライフサイクル論について、最も適切なものを1つ選べ。
  • 人の生涯を6つの発達段階からなると考えた。
  • 成人期前期を様々な選択の迷いが生じるモラトリアムの時期であると仮定した。
  • 青年期を通じて忠誠<fidelity>という人としての強さ又は徳が獲得されると考えた。
  • 各発達段階に固有のストレスフルなライフイベントがあると仮定し、それを危機と表現した。
  • 成人期後期に自身の子どもを養育する中で、その子どもに生成継承性<generativity>が備わると考えた。

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この過去問の解説 (3件)

01

ライフサイクル論も、表などにして、まるっと覚えてしまうことをお勧めします。

1.8つの発達段階です。

2.モラトリアムは青年期です。

3.青年期に得られるものは「忠誠」です。これが正解です。

4.各発達段階に固有の「人生課題」があると表現されています。

5.「子どもを養育する中で」が誤りです。
 子どもに限らず次世代の育成などを通して継承性を得ていきます。

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02

正解は、3です。

各選択肢については、以下の通りです。

1→E. H. Eriksonのライフサイクル論は、人の生涯を8つの発達段階からなると考えました。
よって選択肢は、誤りです。

2→モラトリアムが生じるのは、青年期です。
よって選択肢は、誤りです。

3→青年期は、自分の社会的役割や価値を見出し、自我同一性が確立することで、忠誠(人としての強さ又は徳)を獲得する時期であるとしています。
よって選択肢は、正しいです。

4→各発達段階には、発達課題と心理社会的危機があるとされています。
よって選択肢は、誤りです。

5→成人期後期に自身の子どもを養育する中で、養育者に生成継承性が備わると考えられています。
よって選択肢は、誤りです。

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03

この問題で覚えておくべきポイントは以下の通りです。

エリクソンの発達段階をトピックスだけでなく、一連の成長過程としてとらえなおしておく必要があります。

それでは、問題を見てみましょう

選択肢1. 人の生涯を6つの発達段階からなると考えた。

8つの発達段階からなりますので、間違いです。

選択肢2. 成人期前期を様々な選択の迷いが生じるモラトリアムの時期であると仮定した。

モラトリアムの時期は青年期から成人期に至る過程の猶予期間です。

成人期前期では、新たな家族の形成など、親密性の獲得が課題となりますので、間違いです。

選択肢3. 青年期を通じて忠誠<fidelity>という人としての強さ又は徳が獲得されると考えた。

青年期は自我同一性(アイデンティティ)を確立する時期です。

人が心にもつ強さを獲得するため忠誠があげられているため、正解です。

選択肢4. 各発達段階に固有のストレスフルなライフイベントがあると仮定し、それを危機と表現した。

ストレスフルなライフイベントが必ずある、という考え方ではないため、間違いです。

ストレスフルなライフイベントではなく、獲得すべき発達課題があり、それが解決できないと、どのような危機が生じるか、という考え方になります。

選択肢5. 成人期後期に自身の子どもを養育する中で、その子どもに生成継承性<generativity>が備わると考えた。

生成継承性は成人期後期段階にある本人に備わり、子どもに備わるわけではないため間違いです。

まとめ

エリクソンの発達段階は、その段階で獲得すべきことを系統立てて明確に示されています。それぞれのキーワードを覚えることと、各発達段階との関連性を含めて整理しておくと、比較的わかりやすいと思います。

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