公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午前 問17
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問題
公認心理師試験 第1回(2018年) 午前 問17 (訂正依頼・報告はこちら)
P−Fスタディの実施と解釈について、正しいものを1つ選べ。
- 葛藤場面は、自我の退行場面と超自我が阻害される場面とで構成される。
- 攻撃性の方向が内外ともに向けられずに回避される反応を無責傾向と解釈する。
- 依存性と攻撃性の方向とパターンを分類及び記号化して、社会的関係の特徴を把握する検査である。
- 他者との葛藤状況における言語反応を、愛着関係の方向とパターンとに分類及び記号化して解釈する。
- 欲求不満を来す状況について、もしも自分であったらという想定における被検者の言語反応を分類及び記号化して解釈する。
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この過去問の解説 (3件)
01
P-Fスタディとは、日常場面でのフラストレーションを感じる状況が描かれた24枚の絵からなる投影法人格検査です。
各選択肢については、以下の通りです。
1→葛藤場面は、自我が阻害される場面と、超自我が阻害される場面で構成されています。
よって選択肢は、誤りです。
2→攻撃性の方向には3類型あります。
自責:攻撃の方向が自分に向く傾向です。
他責:攻撃の方向が他者などの外界に向く傾向です。
無責:攻撃性の表出を回避する傾向であり、選択肢の内容に当てはまります。
よって選択肢は、正しいです。
3→P-Fスタディは、攻撃性の型と方向を分析するものであり、依存性は分析対象ではありません。
よって選択肢は、誤りです。
4→P-Fスタディは、攻撃性の型と方向を分析するものであり、愛着は分析対象ではありません。
よって選択肢は、誤りです。
5→P-Fスタディは、登場人物への無意識な投影を想定しています。そのため、「もしも自分であったら」といった想定はしません。
「登場人物なら」どうするかを考えます。
よって選択肢は、誤りです。
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02
・開発者はS. Rosenzweig
・投影法
・24枚の欲求不満場面
左「欲求不満にさせる発言」
右「空白・自由連想で書き込む」
・無意識的な攻撃性の型と方向を知る
攻撃性の型:障害優位・欲求固執・自己防衛
攻撃性の方向:内罰・外罰・無罰(自責・他責・無責)
1.葛藤場面は、自我阻害場面と超自我阻害場面で構成されます。
退行場面ではありません。
2.これが正解です。
攻撃性の方向が外に向かうことを他責・外罰と言い、
攻撃性の方向が内に向かうことを自責・内罰と言います。
どこにも向けられず回避される反応は無責・無罰です。
3.「依存性」はP-Fスタディでは関係ありません。
4.「愛着関係」はP-Fスタディでは関係ありません。
5.「もしも自分であったら」ではなく、
図版にある人物の空白のセリフを記入するものです。
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03
この問題で覚えておくべきポイントは以下の通りです。
P-Fスタディの目的、分析や解釈法について、理解を深めておく必要があります。
それでは、問題を見てみましょう。
この検査は、フラストレーション耐性理論(欲求不安耐性理論)に基づき作成されています。
場面設定は2つ。「自我阻害場面」と「超自我阻害場面」です。自我の退行場面ではないため間違いです。
無責傾向は、問題文どおりなので、正しいです。
この検査において、依存性は評価できません。あくまでもフラストレーションに対し、どのような対処を好むパーソナリティか、という点を検査するので、間違いです。
この検査において、愛着関係を検査するものではありませんので、間違いです。
検査用紙の内容を理解していると、比較的わかりやすいです。
紙面に描かれている人物がどのように発言するかを考えて回答するものですので、自己に置き換えて考えるものではありません。
そのため、間違いです。
P-Fスタディを一度経験されてみると、より難しさや具体的な指示内容、検査するときの姿勢にもお気づきになると思います。
パーソナリティ検査、といっても、具体的に検査できる内容は検査ごとにことなります。検査を作成するに至った理論背景も含めて一緒に覚えておくとよいでしょう。
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