公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午前 問21
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問題
公認心理師試験 第1回(2018年) 午前 問21 (訂正依頼・報告はこちら)
中途障害者の障害受容について、正しいものを1つ選べ。
- 他責を示すことはない。
- 一旦前進し始めると、後退することはない。
- 他者や一般的な価値と比較して自分を評価することが必要である。
- 障害によって自分の価値全体を劣等だと認知することが必要である。
- ショック期の次の期では、障害を認めつつも、一方で回復を期待した言動がしばしばみられる。
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この過去問の解説 (3件)
01
1→障害受容初期において、障害を受容することができず、他責や自責が見られることがあります。
他責の例として、交通事故で片足を切断した場合、はじめのころは、相手がスピードを出していたせいだなどと他者に対して怒りを表すことなどがあげられます。
よって選択肢は、誤りです。
2→受容と否認を繰り返しながら、徐々に障害を受け入れるようになります。
よって選択肢は、誤りです。
3→障害受容とは、他者と比較して受け入れていくものではなく、障害を持っている自分を含めた自分を自己受容することです。
よって選択肢は、誤りです。
4→障害を受容し、適応していくことが必要です。
自分の価値全体を劣等と判断すると、障害受容にはつながりません。
よって選択肢は、誤りです。
5→障害受容のプロセスとして、N.Cohnの5段階があります。
障害受容では、「1ショック、2回復への期待、3悲嘆、4防御、5適応」それぞれの期を行ったり来たりしながら障害を受容していくとされています。
上記より、「ショック期」の次は「回復への期待」となっています。
よって選択肢は、正しいです。
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02
身体疾患や交通事故による怪我等、かつて健常であった人が障害をおったことを指します。
1.他責を示すことはあります。もちろん自責もあります。
2.一旦前進したように見えても、後退することもあります。
3.他者比較の自己評価は障害受容において適切ではありません。
4.自分の価値を劣等だと認知する必要はありません。
5.これが正解です。
障害を認めつつも、まだどこかで回復を期待する時期を経て、
障害を受容していきます。
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03
この問題で覚えておくべきポイントは以下のとおりです。
中途障害者の定義、また体験する心理的危機と解決(受容)の過程に関して一連の流れを覚えておきましょう。
それでは問題を見てみましょう。
障害がないと否認し続けることが難しくなると、誰かや何かのせいで障害になったと怒りを表現するため、間違いです。
障害受容の過程は、一方向ではなく、ゆきつつ戻りつつになりますので、間違いです。
自分の状態を受け入れるためには、他者や一般的な価値と比較することではなく、ありのままの自分を受け入れることが求められるため、間違いです。
障害によって己の価値が失われた、という誤った考え方から、あるがままの自分を受け入れることで障害受容ができたとみなすため、間違いです。
Cohnの障害受容の過程において、ショック期の次の段階は回復への期待ですので、正解です。
障害受容のプロセスはCohnが提唱しています。
【ショック】→【回復への期待】→【悲観】→【防衛】→【適応】
です。
様々な受容プロセスが提唱されており、経過の流れが類似しているため、まとめて整理しておきましょう。
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