公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午前 問31

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問題

公認心理師試験 第1回(2018年) 午前 問31 (訂正依頼・報告はこちら)

生後6か月頃までの乳児が示す発達的特徴について、不適切なものを1つ選べ。
  • 対面する他者の視線方向を目で追う傾向がある。
  • 目鼻口が正しい配置にある顔図形を選好する傾向がある。
  • 他児の泣き声を聞くと、つられるように泣き出すことがある。
  • 曖昧な状況で養育者の表情を見てからその後の行動を開始するようになる。
  • 目の前で舌を出す動作を繰り返し見せると、同じような顔の動きをすることがある。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は、4です。

各選択肢については、以下の通りです。

1→対面する他者の視線方向を目で追う傾向とは、「視線追従」のことで、6カ月ごろから見られます。
よって選択肢は、正しいです。

2→生後46時間以降の乳児は、目鼻口の配置が正しい顔図形を好むようになります。
よって選択肢は、正しいです。

3→つられ泣きは、生後間もなく見られます。
病院の新生児室で隣の赤ちゃんが泣きだすと、次々に他の赤ちゃんも泣いてしまうといった光景がこれにあたります。
よって選択肢は、正しいです。

4→あいまいな状況で養育者の表情を見てからその後の行動を開始することは、「社会的参照」の説明で、1歳前後から見られます。
よって選択肢は、誤りです。

5→目の前で舌を出す動作を繰り返し見せると、同じような顔の動きをするとは、「新生児模倣」のことです。
その名の通り、新生児に見られます。
新生児の目の前で舌を出すと、新生児も同じように舌を出して、真似をしますよね。
よって選択肢は、正しいです。

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02

「生後6ヶ月」の乳児ではなく「生後6ヶ月頃まで」の乳児についてである点と、
不適切なものを選択することに留意しましょう。

1.正しいです。

2.正しいです。

3.正しいです。

4.これが誤っており、正答です。
この行動は、「社会的参照」といい1歳頃から見られるようになります。
相手の表情から自身の行いの善悪を判断したり、その場の空気感を読み取ったりするものです。

5.正しいです。

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03

この問題で覚えておくべきポイントは以下のとおりです。乳児の発達過程全般の流れがわかっている必要があります。

それでは問題を見てみましょう。

選択肢1. 対面する他者の視線方向を目で追う傾向がある。

いわゆる追視がいつ起こるのか、という問題ですね。生後1~2か月ごろより、視線があう(注視)し2~3か月ごろには人を追いかける、追視が始まると言われていますので、正しいです。

選択肢2. 目鼻口が正しい配置にある顔図形を選好する傾向がある。

生まれて数日で顔を認識できています。正しい顔の向きを好むようになるのも生後数日ですので、正しいです。

選択肢3. 他児の泣き声を聞くと、つられるように泣き出すことがある。

いわゆる、つられ泣きですが、一般的には生後2~3か月から生じ、ピークは9か月ごろと言われていますので、正しいです。

選択肢4. 曖昧な状況で養育者の表情を見てからその後の行動を開始するようになる。

表情を認識できるのは生後6か月以降と言われています。問題は6か月頃までに見られるものを指示していますので、間違いです。

選択肢5. 目の前で舌を出す動作を繰り返し見せると、同じような顔の動きをすることがある。

表情の模倣、新生児模倣は、生後まもない乳児においても生じますので、正しいです。

まとめ

乳児の発達は出現期間にかなりの幅があります。問題文の意図を理解し、丁寧に考えていきましょう。

また、発達過程についても、もう一度整理しておきましょう。

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