公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午前 問32

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問題

公認心理師試験 第1回(2018年) 午前 問32 (訂正依頼・報告はこちら)

注意欠如多動症/注意欠如多動性障害<AD/HD>の診断や行動特徴として、不適切なものを1つ選べ。
  • 女性は男性よりも主に不注意の行動特徴を示す傾向がある。
  • 診断には、複数の状況で症状が存在することが必要である。
  • 診断には、いくつかの症状が12歳になる以前から存在している必要がある。
  • 診断には、不注意、多動及び衝動性の3タイプの行動特徴を有することが必要である。
  • DSM−5では、自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害<ASD>の診断に併記することができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は、4です。

各選択肢については、以下の通りです。

1→不注意の行動特徴とは、AD/HDの中の不注意優勢型のことです。
そして、不注意優勢型は、女性に多いです。
よって選択肢は、正しいです。

2→DSM-5では、「不注意または多動性−衝動性の症状のうちいくつかが2つ以上の状況において存在すること」が、診断基準の1つとして記載されています。
よって選択肢は、正しいです。

3→DSM-5では、「不注意または多動性−衝動性の症状のうちいくつかが12歳になる前から存在していたこと」が、診断基準の1つとして記載されています。
よって選択肢は、正しいです。

4→DSM-5では、「不注意」と「多動及び衝動性」の2タイプが行動特徴として挙げられています。
よって選択肢は、誤りです。

5→DSM-5では、ASDの診断に併記が可能となりました。
実際、ASDの人は、AD/HDを併発していることが多いです。
よって選択肢は、正しいです。

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02

不適切なものを選択することに留意しましょう!

1.正しいです。

2.正しいです。

もし一つの状況下のみで症状が見られる場合は、

ADHD以外の可能性を検討すべきです。

3.正しいです。

もし12歳になる以前は症状が存在していなかった場合は、

ADHD以外の可能性を検討すべきです。

4.これが誤っており、正答です。

不注意型、多動衝動型、混合型の3分類です。

5.正しいです。

参考になった数62

03

この問題で覚えておくべきポイントは以下のとおりです。

注意欠如多動症/注意欠如多動性障害<AD/HD>の診断基準の問題です。

それでは問題を見てみましょう。

 

選択肢1. 女性は男性よりも主に不注意の行動特徴を示す傾向がある。

この疾患は男女で症状の差が生じ、男性に多い疾患です。女性のほうが不注意の行動特徴を示しますので、適切です。

選択肢2. 診断には、複数の状況で症状が存在することが必要である。

診断基準はDSM-5に記されています。医師の診察時に複数の行動上の特徴、すべてが当てはまる状態がであることが基準となっているため、適切です。

選択肢3. 診断には、いくつかの症状が12歳になる以前から存在している必要がある。

診断基準のなかに、年齢の記載があります。12歳になる以前から不注意、多動などの症状が存在することが必要であるため、適切です。

選択肢4. 診断には、不注意、多動及び衝動性の3タイプの行動特徴を有することが必要である。

3タイプではなく、不注意と多動—衝動性の2タイプの行動特徴ですので、不適切です。

選択肢5. DSM−5では、自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害<ASD>の診断に併記することができる。

併存することがあり、診断時に併記することは可能なため、適切です。

まとめ

他の診断基準と異なり、行動観察をもとにした診断であるため、内容が幅広く条件も複数あります。

類似した疾患と混ざらないように、丁寧に整理しておきましょう。

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