公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午前 問35

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問題

公認心理師試験 第1回(2018年) 午前 問35 (訂正依頼・報告はこちら)

ICD−10の解離性(転換性)障害について、誤っているものを1つ選べ。
  • 自殺の危険性がある。
  • 身体症状を伴う場合がある。
  • 幼少時の被虐待体験が関連している。
  • 自らの健忘には気づいていないことが多い。
  • 可能な限り早期に外傷的な記憶に踏み込んで治療すべきである。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は、5です。

各選択肢については、以下の通りです。

1→解離性障害では、自殺に陥る確率は高いとされています。
よって選択肢は、正しいです。

2→解離性障害では、精神症状のほかに、けいれんや視覚障害などの身体症状を伴う場合もあります。
よって選択肢は、正しいです。

3→解離性障害では、幼少期の被虐待経験は発症の高リスク要因とされています。
よって選択肢は、正しいです。

4→解離性障害では、健忘が見られることがありますが、本人は健忘について自覚がないことが多いです。
よって選択肢は、正しいです。

5→可能な限り早期に外傷的な記憶に踏み込んで治療することとは、デブリーフィングのことです。
デブリーフィングは、現在では推奨されていない治療法です。
よって選択肢は、誤りです。

参考になった数109

02

1.自殺のリスクがあります。

2.身体症状を伴う場合があります。

3.幼少期の被虐待体験との関連が知られています。

4.自らの健忘には気づいておらず、
先に周囲の方が異変に気づくことがあります。

5.これが正答です。誤りです。
 早期に外傷的な記憶に踏み込むことは適切ではありません。

参考になった数38

03

この問題で覚えておくべきポイントは以下のとおりです。

ICD-10において述べられている解離性(転換性)障害の症状を覚えておく必要があります。

なお、2020年にICD-11が発表されています。解離性障害については分類基準が一部変更となっていますので、学習するときは注意して内容を整理しておきましょう。

それでは問題を見てみましょう。

選択肢1. 自殺の危険性がある。

解離性健忘など、いわゆる現実認識ができていない状態のときに、危険性が高まるため、正しいです。

選択肢2. 身体症状を伴う場合がある。

声がでない、歩けない、意識消失など、本来の器質的な障害がないにも関わらず症状が出現することがあるため、正しいです。

選択肢3. 幼少時の被虐待体験が関連している。

心的外傷ストレスが関与するため、正しいです。

選択肢4. 自らの健忘には気づいていないことが多い。

長期間にわたり、症状が出現しているときは、自分の行動を記憶していないため、正しいです。

選択肢5. 可能な限り早期に外傷的な記憶に踏み込んで治療すべきである。

過度なストレス反応によるものなので、まずは信頼関係を気づくところから始まるため、間違いです。

まとめ

解離性(転換性)障害は、自分が見ている対象者と、対象者が認識している自分がずれている障害です。うつ病などと、みかけの症状が似ているため、混同しないように疾患ごとの根拠の違いにも着目して覚えておきましょう。

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