公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午前 問42

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問題

公認心理師試験 第1回(2018年) 午前 問42 (訂正依頼・報告はこちら)

言語の障害について、最も適切なものを1つ選べ。
  • 感覚性失語は多くの場合 Broca野の損傷が原因となる。
  • ディスレクシアは音声言語の理解と産出の障害である。
  • 吃音は幼児期に始まる傾向にあり、女児よりも男児に多い。
  • 自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害<ASD>では統語論的な能力につまずきをもつことが多い。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は、3です。

各選択肢については、以下の通りです。

1→感覚性失語は、Wernicke野の損傷が原因です。

Broca野の損傷では、運動性失語が症状として見られます。

よって選択肢は、誤りです。

2→ディスレクシアとは、会話に障害は見られませんが、文字を書いたり読んだりすることが困難な障害で、学習障害の1つです。

よって選択肢は、誤りです。

3→吃音とは、言葉の初めの音が詰まったり(どもり)する障害で、発達早期に発症します。

また男児の方が女児より多いとされています。

よって選択肢は、正しいです。

4→統語論とは、文法的に正しいかを理解することです。

語用論とは、話し手が伝えたいと思っており意味を理解することです。

つまり、話の意図をくみ取ることです。

ASDでは、統語論より語用論につまずきを持つことが多いです。

よって選択肢は、誤りです。

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02

1.感覚性失語はウェルニッケ失語とも言われるように、ウェルニッケ野の損傷が原因です。

2.ディスレクシアは学習障害のことで、読み書きに困難を抱えることです。

3.正解です。
 吃音は幼児期に始まることが多く、男性の方が有意に多いとされています。
参照:国立障害者リハビリテーションセンター研究所「吃音について」
http://www.rehab.go.jp/ri/departj/kankaku/466/2/

4.ASDの言語能力的特徴は、統語論的な能力の問題よりも発語の遅れが多くあります。

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03

この問題で覚えておくべきポイントは以下のとおりです。言語障害の全般的な知識を問われています。

様々な疾患で、多彩な言語障害を生じるため、症状や発生機序を絡めて覚えておくようにしましょう。

それでは、問題を見てみましょう。

選択肢1. 感覚性失語は多くの場合 Broca野の損傷が原因となる。

感覚性失語は左側頭葉上部、ウェルニッケ(Wernicke野)の損傷が原因のため、間違いです。

選択肢2. ディスレクシアは音声言語の理解と産出の障害である。

学習障害の一つのタイプです。知能の遅れはないが、読み書きが困難になります。音声言語ではないため間違いです。

選択肢3. 吃音は幼児期に始まる傾向にあり、女児よりも男児に多い。

吃音は女児より男児に多いため、正解です。

選択肢4. 自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害<ASD>では統語論的な能力につまずきをもつことが多い。

対人関係が苦手です。言語発達の遅れがあり、オウム返しなどコミュニケーションが成立しづらい疾患ですので、間違いです。

文章の構造的組み立て方も、確かに難しいですが、それ以前に言語発達の遅れの影響で、構造化がしずらいと思います。

まとめ

脳の言語野の機能、全般的なコミュニケーションに関することの障害を取り出した設問です。

疾患の作用機序も含め、一つ一つ整理して覚えておきましょう。

 

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