公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午前 問50
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問題
公認心理師試験 第1回(2018年) 午前 問50 (訂正依頼・報告はこちら)
認知行動療法について、正しいものを2つ選べ。
- 機能分析では、非機能的な認知に気づき、それに代わる機能的な認知を見つける。
- セルフ・モニタリングでは、個人が自らの行動、思考、感情などの側面を観察し、報告を行う。
- トークン・エコノミー法では、レスポンデント条件づけの原理を用い、望ましい行動を示した場合に強化報酬を与える。
- モデリングでは、クライエント自身が直接経験しなくても、他者(モデル)の行動を観察することで新しい行動の習得につながる。
- 行動実験では、言葉による行動調節機能を用い、クライエントが自分自身に適切な教示を与えることによって治療効果を引き出す。
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この過去問の解説 (2件)
01
正解は、2と4です。
1.→機能分析とは、問題行動(標的行動)がどのように維持されるのかを明確化することをいいます。どんな状況で起こるのか、どんな行動か、直後にどのような結果が起こっているかを分析することです。
非機能的な認知に気づき、それに代わる機能的な認知を見つけることではないので、1は誤りです。
2.→認知行動療法におけるセルフ・モニタリングは、そのときどきに自分がどう考えたか(思考)、どう振る舞ったか(行動)、どんな気分であったか(感情)などを記録することで気づきをもたらす技法のことをいいます。
個人が自らの行動、思考、感情などの側面を観察し、報告を行うという方法でセルフ・モニタリングが行われるため、2は正しいです。
3.→トークン・エコノミー法は、オペラント条件づけの原理を用いて、望ましい行動を起こしたときに強化報酬を与えることをいいます。
レスポンデント条件づけの原理ではないため、3は誤りです。
4.→モデリングとは、何かしらの対象物をモデルに、そのものの動作や行動を見て同じような動作や行動を学ぶことをいいます。人間の成長過程では、モデリングにより学習・成長するとされています。
クライエントが直接経験しなくても、モデルを観察することで新しい動作や行動を学ぶことができるため、4は正しいです。
5.→行動実験とは、自動思考の内容が現実に沿った考えなのかどうかを、実際に行動して確かめてみる技法のことをいいます。自動思考の内容が現実に沿った形であれば、その問題をどう解決していけばよいかを具体的に考えていけばよいとわかります。
行動実験とは「言葉による教示」ではなく、「実際に行動すること」で治療効果を引き出す方法ですので、5は誤りです。
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02
2.この説明は正しいです。
3.トークン・エコノミー法はオペラント条件づけです。
4.この説明は正しいです。
5.行動実験の説明として不適切です。
認知行動療法における行動実験は、自動思考の内容が果たして本当にそうであると言えるのかを、
何らかの行動を実行して確かめる(実験する)ことを指します。
例えば、
上司に挨拶をしたが無視された、という出来事から、「上司は私を嫌っているに違いない」というネガティブな自動思考があるとき、
行動実験として、
他の人からの挨拶も無視しているのかを調査する、
日を変えてもう一度挨拶して反応をみる、
飲み会に誘い上司が来るかどうか確かめる
などが考えられます。
つまり、行動の調節をすることは正しいですが、
“クライエントは自分自身に適切な教示を与える”という点が誤りです。
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