公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午前 問59

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問題

公認心理師試験 第1回(2018年) 午前 問59 (訂正依頼・報告はこちら)

3歳の男児。3日前に階段から落ち元気がないため診てほしいと母親に連れられて来院した。担当医師の診察結果では、頭部に裂傷と血腫、胸部に紫斑を認めた。胸部エックス線写真で肋骨に受傷時期の異なる複数の骨折を認めた。公認心理師は担当医師から対応を相談された。ソーシャルワーカーからは、男児の家族は1か月前にこの病院のあるA市に転居して来たと伝えられた。診療録によると、最近1か月の間に、小児科で脱水、皮膚科で熱湯による熱傷、外科では外傷による爪剥離と転倒による肋骨骨折の治療歴がある。
このとき公認心理師が提案する対応として、最も適切なものを1つ選べ。
  • 児童相談所へ通報する。
  • 母親に夫との関係について聴く。
  • 母親に子育て支援団体を紹介する。
  • 引き続き小児科外来での診療を勧める。
  • 母親に今回と過去の受傷機転の詳細について問い質す。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。

1.→頭部に裂傷と血腫、胸部に紫斑があり、胸部エックス線写真で肋骨に受傷時期の異なる複数の骨折が認められます。1ヶ月前に転居してきており、その1ヶ月の間に脱水、熱傷、爪剥離、肋骨骨折がみられるということで、児童虐待が十分疑われる事例です。「児童虐待を受けたと思われる児童」は、児童虐待防止法の通告対象に当てはまりますので、1は正しいです。

2.→この事例は緊急性を要しますので、まず行うことは児童相談所への通告になります。また、母親に夫との関係について聴くとありますが、原因が夫婦関係によるものと決めつけている対応にもなりかねません。よって2は誤りです。

3.→母親に子育て支援団体を紹介するよりも、まずは男児の身の安全を図ることが第一です。その後、母親が孤立しているということが虐待の要因につながっているとなれば、子育て支援団体をその時に紹介すれば良いことです。よって、3は誤りです。

4.→この男児は、生命に危機が生じている状態とみなすことができます。このまま小児科外来で対応ということで帰してしまうと、死につながる虐待を受けることにもなりかねません。まずは、男児の身の安全を図るため、男児をすぐに家に帰すことは選択肢に入りません。よって、4は誤りです。

5.→母親に今回と過去の受傷機転の詳細について「問い質す」ということは、母親を責めることにもつながり、適切な対応とは言えません。また、母親に今回と過去の受傷機転の詳細について質問するのは、子どもの身の安全を確保してからでも遅くありません。よって、5は誤りです。

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02

受傷時期の異なる複数の骨折、熱湯による熱傷など、虐待疑いありと判断すべき事例です。

虐待対応としては、実はすべての選択肢が適切なのですが、最も優先されるべきは当該児童の保護です。従って正解は1です。

2~5は、いずれも保護の後に行うべき対応です。

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03

以下に解説します。

選択肢1. 児童相談所へ通報する。

適切です。

子どもの外傷から推察し、虐待の可能性があります。

診察後、自宅に返すことで更なる外傷を負う可能性があり、保護の必要性と緊急性を感じるため、一番優先すべきは児童相談所への通報となります。

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