公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午前 問67

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問題

公認心理師試験 第1回(2018年) 午前 問67 (訂正依頼・報告はこちら)

28歳の男性A、無職。Aは中学時代にいじめに遭い遅刻や欠席が増え、高校2年生のときに不登校となった。それ以来、自宅にひきこもり、アルバイトを試みた時期もあったが、最近はほとんど外出しない。普段はおとなしいが、家族がA自身の今後のことを話題にすると急に不機嫌になり、自分の部屋にこもってしまう。対応に苦慮した母親が精神保健福祉センターに来所した。
Aと家族に対するセンターの初期の対応として、最も適切なものを1つ選べ。
  • 訪問支援を行う。
  • Aが同意した後に母親の相談に応じる。
  • Aの精神医学的評価に基づいて支援を検討する。
  • Aに対する家族の対応に誤りがないかどうかを話し合う。
  • 即効性のある対処法を母親に教えて相談を継続する動機を高める。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

この設問では、「Aと家族」に対するセンターの初期の対応として最も適切なものを求められています。

1.→Aの許可なく訪問支援を行うと、Aとセンターの信頼関係を築くことができなくなります。よって、1は誤りです。

2.→母親の相談に応じることは、あくまで母親の気持ちを聴くことなので、Aの許可は必要ありません。よって、2は誤りです。

3.→Aのアセスメントをしてから支援を検討するのは、初期の対応として適切です。よって、3は正しいです。

4.→Aに対する家族の対応に誤りがないかどうか話し合うのは、家族との信頼関係を築くのに適切とはいえません。家族の対応に誤りがあると言えば、家族を責めることにもつながる恐れがあります。まずは、相談に来てくれた母親の話に耳を傾けることが重要です。よって、4は誤りです。

5.→センターの「初期の対応」としては、母親の話に耳を傾け、母親を支援していくことが必要です。母親がアドバイスを求めているかどうかはわかりませんし、そもそもひきこもりの回復に即効性は期待できません。よって、5は誤りです。

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02

高2以来、ほぼ引きこもり状態のAとその家族に対する対応を問う問題です。

今回母親が相談に訪れていますが、ここでAの同意は特に必要ありませんから2は不適切です。

母親の対応に誤りがないか検討したり、アセスメントも行わず即効性のある対処法を伝えたりすることも不適切ですから、4と5も誤りです。

まずは3を行い、その後1など他の対応を行うことが望ましいです。

よって正解は3です。

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03

以下に解説します。

選択肢1. 訪問支援を行う。

突然訪問すると、母親が相談したことが明らかとなり、Aとの信頼関係の構築も困難になりますので、初期対応としては適していません。

選択肢2. Aが同意した後に母親の相談に応じる。

母親のみでの来院であり、ここでAの同意は必要ありません。

選択肢3. Aの精神医学的評価に基づいて支援を検討する。

こちらが正しいです。

選択肢4. Aに対する家族の対応に誤りがないかどうかを話し合う。

Aの状態アセスメントや家族状況も十分に情報収集してから、対応について話し合うとよいでしょう。

選択肢5. 即効性のある対処法を母親に教えて相談を継続する動機を高める。

一時的な対処法で解決させるのは難しいため誤りです。

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