公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午前 問68

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問題

公認心理師試験 第1回(2018年) 午前 問68 (訂正依頼・報告はこちら)

12歳の男子A、小学6年生。Aは授業中ぼんやりしていることが多く、学習に対して意欲的な様子を見せない。指示をしない限り板書をノートに写すことはせず、学習全般に対して受動的である。常に学習内容の理解は不十分で、テストの点数も低い。一方、教師に対して反抗的な態度を示すことはなく、授業中に落ち着かなかったり立ち歩いたりという不適切な行動も見られない。クラスメイトとの人間関係にも問題があるとは思えず、休み時間などは楽しそうに過ごしている。知能指数は標準的で、言葉の遅れもなく、コミュニケーションにも支障はない。また、読み書きや計算の能力にも問題はない。
Aの状態として最も適切なものを1つ選べ。
  • 学業不振
  • 学習障害
  • 発達障害
  • 学級不適応
  • モラトリアム

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。

2.→読み書きや計算の能力にも問題はないことから、学習障害の可能性はきわめて低いといえます。よって、2は誤りです。

3.→「授業中に落ち着かなかったり立ち歩いたりという不適切な行動も見られない」ことからADHDは考えにくく、「知能指数は標準的で、言葉の遅れもなく、コミュニケーションにも支障はない」ことから自閉症スペクトラム(ASD)の可能性も低いです。よって、3も不適切です。

4.→「教師に対して反抗的な態度を示すことはなく」「クラスメイトとの人間関係にも問題があるとは思えず、休み時間などは楽しそうに過ごしている」ことから、学級不適応も考えにくいです。よって、4は誤りです。

5.→モラトリアムという言葉は、E.エリクソンの8つの発達段階の「青年期」に当たる人たち、つまり、大学生くらいの年齢の人たちに起こりやすいものです。モラトリアムとは、「アイデンティティの確立に取り組み、大人としての社会的責任を果たすことを猶予された期間」を指します。よって、5は誤りです。

1.→2~5の要因が考えにくいこと、かつ、「常に学習内容の理解は不十分で、テストの点数も低い」ことから、学業不振であることが考えられます。よって、1は正しいです。

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02

学習に対して意欲がなく、テストの点数も低いが、落ち着かない・立ち歩くといった様子は見られず、言葉の遅れやコミュニケーションの問題はなく、知能指数は標準的で読み書き算数の能力にも問題はない。以上により、ADHDやSLD、ASDなどの可能性は低いと言えます。
また、モラトリアムは大学生をはじめとする青年期を指す言葉ですから、ここでは不適切です。
よって正解は1となります。

こういう問題は思わず発達障害を疑いたくなると思いますから、ひっかけ問題と言えるかもしれません。

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03

以下に解説します。

選択肢1. 学業不振

適切です。

学業不振は、学習に対して意欲がなく、学習全般に受動的である場合に適用される概念です。Aは学業全般に対して受動的であり、学習内容の理解が不十分でテストの点数も低いですが、基本的な学力や知能に問題がないため、特定の学習障害とは考えにくいです。

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