公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午前 問70

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問題

公認心理師試験 第1回(2018年) 午前 問70 (訂正依頼・報告はこちら)

42歳の女性A。Aは中学2年生の息子Bの不登校について相談するために、スクールカウンセラーを訪ねた。中学1年生のときの欠席は年1日程度で部活動もしていたが、中学2年生の5月の連休過ぎから休みがちとなり、1か月以上欠席が続いている。Bは休みがちになってから家での会話も少なく、部屋にこもりがちで表情は乏しいが、食事や睡眠はとれている様子である。学校に行けない理由をAがBに聞くと、うるさがり言い争いになる。担任教師がBに電話を掛けてきても出ようとせず、Aは「どう対応していいか全く分かりません」と話した。
スクールカウンセラーの対応として、まず行うべきものを1つ選べ。
  • 教育支援センターの利用を強く勧める。
  • 「お宅に伺ってB君と話してみましょう」と提案する。
  • Aの苦労をねぎらった上で、Bの現在の様子を詳しく聴く。
  • Aのこれまでの子育てに問題があるのではないかと指摘し、Aに改善策を考えさせる。
  • 「思春期にはよくあることですから、そのうちに学校に行くようになりますよ」と励ます。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

スクールカウンセラーの対応として、「まず」行うべきもの、と問題文に書かれています。

1.→Aはスクールカウンセラーのところに相談に来ています。スクールカウンセラーがいったん受け止めることなく教育支援センターの利用を強く勧めれば、Aはただ「たらい回しにされてしまう」と捉える恐れもあります。まずは、スクールカウンセラーが話を聴いて、じっくり受け止めることが必要です。よって、1は誤りです。

2.→いきなり家庭訪問をしてB君と話そうとしても、AともB君ともまだ信頼関係ができていません。B君はスクールカウンセラーを警戒し、信頼関係を結ぶことがより困難になってしまう可能性があります。よって、2は誤りです。

3.→まずはAが来談してくれたことをねぎらい、AからB君の様子を詳しく聴いてアセスメントすることが大事です。よって、3は正しいです。

4.Aの子育てに問題があるとみなして話をすると、Aは自分が責められていると感じる恐れがあり、Aとの信頼関係を結ぶことができなくなります。AはこれまでいろいろB君に対してはたらきかけており、万策尽きて相談に来ているのですから、まずは解決のためにAが足を運んでくれたことをねぎらうことが先です。よって、4は誤りです。

5.→AとB君の状況もよくわからずにただ励ましても、Aは「自分の気持ちをわかってくれた」とはならない可能性の方が高いです。スクールカウンセラーの姿勢として、根拠のない叱咤激励は不適切です。よって、5は誤りです。

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02

不登校のBへの対応について、AがSCを訪ねた、という設定です。

ここではインテーク的な対応が求められると考えられますから、3が正解となります。

まずはAを労うべきで、Aに問題があると指摘したり、安易に励ましたりすべきではりません。よって4と5は不適切です。

1と2は将来的にはありうるかもしれませんが(とはいっても、1は“強く”が引っ掛かりますし、2も担任や管理職との協議のうえで行うべきですが)、“まず”行うべき対応とは言えませんから不適切です。

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03

以下に解説します。

選択肢3. Aの苦労をねぎらった上で、Bの現在の様子を詳しく聴く。

適切です。

Aの苦労を理解し、Bの現在の様子を詳しく聴くことで、問題の背景や詳細を把握することができます。最初の信頼関係形成の大事な場面であり、まず情報を詳しく聞くことが重要です。

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