公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午前 問73

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問題

公認心理師試験 第1回(2018年) 午前 問73 (訂正依頼・報告はこちら)

26歳の男性。職場の同僚たちの会話が自分へ当てつけられていると訴えて家族とともに来院した。2か月前から自分の考えが筒抜けになっていると思うようになった。「いつも見張られているので外出できない」と、周囲を警戒しながら話した。身体疾患、過度の飲酒及び違法薬物の摂取はない。
この患者に対する治療として、最も適切なものを1つ選べ。
  • 抗不安薬
  • 気分安定薬
  • 抗精神病薬
  • 対人関係療法
  • 認知行動療法

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

・「職場の同僚たちの会話が自分へ当てつけられている」という訴え
・2か月前から自分の考えが筒抜けになっていると思うようになった
・「いつも見張られているので外出できない」と、周囲を警戒しながら話したという様子
・身体疾患、過度の飲酒及び違法薬物の摂取はない

以上の様子から、男性は統合失調症の特徴である、関係妄想や幻聴の症状が出ていると考えられます。

まずは、抗精神病薬を処方し、幻聴や妄想を抑えることが治療の第一歩につながります。よって、3が正解です。

1.→パニック障害、不安障害など、幻聴や妄想ではない、漠然とした不安が前面に出ている症状を呈している場合、抗不安薬が処方されます。よって、1は誤りです。

2.→気分安定薬は、双極性障害の症状に対して処方されます。双極性障害の場合は現実検討能力は保たれていますので、2は誤りです。

4.→対人関係療法とは、中等度~重度の非妄想性うつ状態と診断された成人に対する外来治療法として開発された短期の心理療法です。この事例では妄想も出ていると思われるため、4は誤りです。

5.→認知行動療法は、軽度のうつ状態と診断された患者に対して行うと効果があります。幻聴や妄想は「根拠もなく考えが浮かび、自分では訂正しがたく、本当に起こっているものだと信じている状態」なので、幻聴や妄想に対しての効果はありません。よって、5は誤りです。

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02

本事例は、会話が自分にあてつけられている(被害妄想)、自分の考えが筒抜けであると感じる(思考伝播)、いつも見張られている(注察妄想)と言った症状から、統合失調症と見立てることが可能です。

統合失調症への治療は、薬物療法+精神科リハビリテーション(作業療法など)が基本であり、薬物療法としては抗精神病薬が使われますから、適切なのは3となります。

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03

以下に解説します。

選択肢3. 抗精神病薬

適切です。

他者からの攻撃や監視についての妄想(思考の偏り)を示しており、これは精神病性障害の兆候です。抗精神病薬は、統合失調症や他の精神病性障害に伴う妄想や幻覚に対して効果的です。

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