公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午前 問74

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問題

公認心理師試験 第1回(2018年) 午前 問74 (訂正依頼・報告はこちら)

75歳の女性A、独身の息子と二人暮らしである。Aは2年くらい前からスーパーで連日同じ食材を重ねて買うようになり、スーパーからの帰り道で道に迷うなどの行動が見られ始めた。午前中から散歩に出たまま夕方まで帰らないこともあった。最近、息子の怒鳴り声が聞こえるようになり、時々Aの顔にあざが見られるようになったため、近所の人が心配して、市の相談センターに相談した。
市の対応として、不適切なものを1つ選べ。
  • 虐待担当部署への通報
  • 息子への指導及び助言
  • Aの居室の施錠の提案
  • 徘徊時に備えた事前登録制度の利用
  • 民生委員への情報提供と支援の依頼

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

1.→息子の怒鳴り声が聞こえたり、時々Aの顔にあざが見られるという内容から、高齢者虐待防止法の通報義務にもとづき、虐待担当部署への通報をするのは、市の対応として適切です。よって、1は除外します。

2.→息子への指導と助言は、心理職だとすれば不適切になりますが、「市の対応」としては適切です。よって、2は除外します。

3.→Aの居室の施錠の提案は、不適切です。Aの居室を施錠するということは、息子の虐待を助長するということを容認しているということにもなりかねません。

4.→Aの徘徊時に備えた事前登録制度の利用を市から提案するのは、市の対応として適切です。よって、4は除外します。

5.→息子の虐待が疑われる状態のため、民生委員への情報提供と支援を依頼することは、市の対応として適切です。よって、5は除外します。

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02

本問は、「市の対応として」不適切なものを選ぶという点がポイントです。

心理職ではなく市の対応と言う視点でみると、3以外は全て適切となります。
(心理職の視点で見ると、例えば2は“指導”とあるため、抵抗があるかもしれません。)

3は、虐待が疑われる息子に対して、虐待を助長しかねない対応ですので、不適切です。

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03

以下に解説します。

選択肢3. Aの居室の施錠の提案

適切です。

スーパーで同じ食材を重ねて買う、道に迷う、長時間散歩に出たまま帰らないなど、認知機能の低下を示唆する行動が見られます。 息子の怒鳴り声が聞こえる、Aの顔にあざが見られるなど、家庭内での虐待の可能性が感じられます。Aが徘徊するリスクがある場合、居室の施錠が検討されるケースもあるのかもしれませんが、市の対応としてはNGです。監禁や虐待を助長させる可能性があります。

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