公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午後 問86
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問題
公認心理師試験 第1回(2018年) 午後 問86 (訂正依頼・報告はこちら)
基本感情説における基本感情について、最も適切なものを1つ選べ。
- それぞれの感情が特異的な反応と結びついている。
- 大脳皮質を中心とする神経回路と結びついている。
- 発達の過程を通して文化に固有のものとして獲得される。
- 喜び、怒り及び悲しみといった感情概念の獲得に依存する。
- 快 − 不快と覚醒 − 睡眠の二次元の感情空間によって定義される。
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この過去問の解説 (3件)
01
なお、イザードは「興味・興奮、喜び、驚き、苦悩・不安、怒り、嫌悪、軽蔑、恐怖、恥、罪悪感」の10種類を、エクマンは「幸福、怒り、悲しみ、嫌悪、驚き、恐怖」の6種類を、普遍性のある基本感情として挙げています。
他の選択肢も見ていきましょう。
2は「大脳皮質」がポイントで、キャノン=バード説(感情の中枢起源説)についての記述です。これは、刺激が脳の視床下部に到達してから情動が生じるという考え方です。
関連用語として、“泣くから悲しい”で有名なジェームズ=ランゲ説(感情の抹消起源説)も押さえておきましょう。
3は社会構成主義における感情の捉え方を述べています。
4は心理的構成主義における感情の捉え方を述べています。
5は「二次元」がポイントで、ラッセルによる次元論についての記述です。
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02
正解は1です。
基本感情説とは、エクマンが研究したもので、感情には「喜び、恐れ、驚き、嫌悪、怒り、悲しみ」の6つがあります。感情を特異な進化的適応反応であるとしています。それは普遍的なものであり、文化を超えるとされています。
普遍性を持つ「基本感情(上記6つの感情)」は、決まった刺激を知覚すると生じ、固有の表情や姿勢を出させ、自律神経系の活動を引き起こす、とされています。
(情動・感情 : 心理学用語集 - 心理学用語の学習 https://psychologist.x0.com/terms/132.html参照)
1.→基本感情説では、「喜び、恐れ、驚き、嫌悪、怒り、悲しみ」の6つの感情は、特異的な反応と結びついているものとされているため、1は正しいです。
2.→感情が大脳皮質を中心とする神経回路と結びついているということを唱えたのはエクマンではなく、キャノン=バードです。この考え方は、感情の中枢起源説とも呼ばれています。よって、2は誤りです。
3.→基本感情説では、感情は普遍的なものであり、文化を超えるものであるとしています。「感情は、個別の感情は文化によって社会的に構築される」というのは、感情の社会的構成主義の考えです。よって、3は誤りです。
4.→基本感情説では「感情は普遍的なものであり、文化を超える」としているのに対し、「あくまで感情は主観的に感じるもの」とするこの考え方は、心理的構成主義の考えです。よって、4は誤りです。
5.→「快 − 不快と覚醒 − 睡眠の二次元の感情空間によって定義される」としたのは、ラッセルの「感情円環モデル(次元説)」です。よって、5は誤りです。
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03
以下に解説します。
適切です。
基本感情説によれば、基本感情は生物学的に基盤があり、各感情が特定の生理的および行動的反応と結びついているとされます。例えば、恐怖は心拍数の増加や回避行動と関連しており、怒りは攻撃的な行動と結びついています。これらの基本感情は、特定の神経回路や生理的反応に結びついていると考えられています。
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