公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午後 問90
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問題
公認心理師試験 第1回(2018年) 午後 問90 (訂正依頼・報告はこちら)
ストレンジ・シチュエーション法によるアタッチメントのタイプ分類( A:回避型、B:安定型、C:抵抗/アンビバレント型、D:無秩序・無方向型 )について、最も適切なものを1つ選べ。
- Aタイプの養育者は、子どもに対して虐待など不適切な関わりをしていることが多い。
- AタイプとCタイプの子どもは、再会場面で感情が元どおりに回復せずに、怒りの感情を表すことがある。
- BタイプとCタイプの子どもは、分離場面で強く泣くなどの苦痛を表出する。
- Cタイプの養育者は、子どもに対して拒絶的にふるまうことが多い。
- Dタイプの養育者は、子どものシグナルに養育者自身の都合で応答するなど一貫性を欠く傾向がある。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は3です。
エインズワースの行った、ストレンジ・シチュエーション法によるアタッチメントのタイプ分類は、以下の通りです。
Aタイプ(回避型):子どもは母親がいなくなっても泣いたりしません。母親が戻ってきてもよそよそしくしています。このタイプの母親は、子どもからの働きかけに対して拒否的に振る舞うことが多いとされます。子どもに対し、微笑んだり身体接触をすることが少なく、子どもが苦痛を示した時には子どもをむしろ遠ざける傾向があります。
Bタイプ(安定型):子どもは母親がいないと不安になります。そして、母親が帰ってくると、素直に喜ぶことができます。または、泣いて寂しさを伝えることができます。このタイプの母親は子どもの欲求に敏感で、子どもに対し無理な働きかけをすることが少ないとされます。子どもとのやりとりも平和的で、遊びや身体接触を楽しむ様子がみられます。
Cタイプ(抵抗/アンビバレント型):母親となかなか離れることができません。または、母親が戻ってきた後も、喜びの感情もありますが、怒りの感情等を示すことがあります。このタイプの母親は、子どもとのかかわりはありますが、母親の都合に合わせたかかわりであることが多いとされます。そのため、子どもからの働きかけに対する反応が子どもの欲求とズレることがあります。
Dタイプ(無秩序・無方向型):赤ちゃんの、母親に対する態度に一貫性がありません。急に泣いたり怒ったり、寂しさを伝えることがあります。このタイプの母親は、抑うつ傾向が高く、精神的に不安定であり、子どもへの虐待がみられることが多いとされます。また、ストレスに対しても弱く、引きこもりやすい傾向がみられます。
1.→子どもへの虐待的なかかわりがみられることが多いのは、Dタイプの母親です。Aタイプの母親は、子どもに対して拒否的にかかわることが多く、子どもが苦痛を示す時はむしろ遠ざけてしまう傾向があります。よって、1は誤りです。
2.→Aタイプの子どもは、母親が戻ってきてもよそよそしく、感情をあらわにしません。Cタイプの子どもは怒りの感情を表すこともあります。よって、2は誤りです。
3.→Bタイプの子どもは、母親がいなくなると不安で泣いて寂しさを訴えます。また、Cタイプの子どももなかなか母親と離れることができず、分離不安を強く感じます。よって、3は正しいです。
4.→子どもに対して拒絶的に振る舞うことが多いのはAタイプの母親です。Cタイプの母親は、子どもとのかかわりはありますが、母親の都合によるかかわりであることが多いため、子どもの欲求とはズレる傾向があります。よって、4は誤りです。
5.→Dタイプの養育者は、精神的に不安定であり、ストレスに対して弱い傾向があります。5の選択肢の内容はCタイプの母親のことです。よって、5は誤りです。
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02
まず、アタッチメントタイプごとの典型的な反応を簡潔に述べます。
「安定型」は母親の退室時に子が抵抗し、母親が戻ってきたときに歓迎します。
「回避型」は母親が退室しても抵抗は示さず、戻ってきても歓迎しません。
「アンビバレント型」は、母親の退室には抵抗するものの、戻ってきたときに歓迎しません。
「無秩序型」は、例えば顔を背けながら母親に近づくといった、接近と回避が同時に見られるタイプを指し、無秩序型の母親には子に対する虐待傾向が見られやすいとされます。
以上より、正解は3です。
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03
以下に解説します。
適切です。
Bタイプ(安定型)の子どもは分離時に泣くこともありますが、再会時にはすぐに回復し、養育者に対して信頼を示します。
Cタイプ(抵抗/アンビバレント型)の子どもも分離時に強く泣くことが多く、再会時にもしばしば強い怒りや混乱を示します
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