公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午後 問93

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問題

公認心理師試験 第1回(2018年) 午後 問93 (訂正依頼・報告はこちら)

災害時の支援について、正しいものを1つ選べ。
  • 被災直後の不眠は病的反応であり、薬物治療を行う。
  • 被災者に対する心理的デブリーフィングは有効な支援である。
  • 危機的な状況で子どもは成人よりリスクが高く、特別な支援を必要とする。
  • 被災者の悲観的な発言には、「助かって良かったじゃないですか」と励ます。
  • 被災者から知り得た情報は、守秘義務に基づき、いかなる場合も他者に話してはならない。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

1.→被災直後の不眠等、ストレス反応はは病的反応ではなく、正常な反応です。すぐに薬物治療を行うことは適切ではありません。よって、1は誤りです。

2.→心理的デブリーフィングは、トラウマとなる経験をした人々のストレスを緩和する目的で行われる対処方法と言われていますが、PTSDの予防効果としては現在は否定されており、かえって悪化する場合もあるとも言われています。よって、2は誤りです。

3.→子どもは大人よりも言語等で自分の状態を伝えられず、自身で被災に対して対処能力を持っていないこともあり、成人よりもリスクが高いです。特別な支援を必要とします。よって、3は正しいです。

4.→被災者の中には、被災者にとって大切な人を亡くしている方もいます。そして、自分だけが助かってしまったという罪の意識を持っている人も少なくありません。そのような方に対しての励ましの言葉は、被災者をさらに傷つけてしまう恐れがあります。よって、4は誤りです。

5.→被災者から知り得た情報でも、生命にかかわることであれば守秘義務よりも通報や報告等が優先される場合があります。よって、5は誤りです。

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02

被災者は一般的に、茫然自失期→ハネムーン期→幻滅期→再建期という心理的経過をたどるとされています。なお、幻滅期はハネムーン期で生じた連帯感や頑張ろうという気持ちが失われる時期で、ハネムーン期の反動と考えると理解しやすいかと思います。

選択肢を見ていきましょう。

まず、1の被災直後の不眠は病的な反応ではなく、正常な反応と言えます。

2の心理的デブリーフィングは、トラウマ的な体験を想起させたり、追体験させたりすることですが、被災者に話を聞きだすことでさらなる苦痛を与える危険性があります。

4はサバイバーズギルトの観点から不適切ですし、5は、守秘義務には例外がありますから“いかなる場合も”は不適切です。

3が正しく、子どもは言語表現が未熟であり、その意味でも成人よりリスクが高いと言えます。

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03

以下に解説します。

選択肢3. 危機的な状況で子どもは成人よりリスクが高く、特別な支援を必要とする。

正しいです。

災害時には、子どもは成人よりも心理的、情緒的に脆弱であるため、特別な支援が必要です。子どもは感情の処理やストレスへの対応が難しく、大人とは異なる支援が求められます。子どもに対する支援は、年齢に応じた適切な方法で行う必要があります。

 

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