公認心理師の過去問 第1回(2018年) 午後 問114
この過去問の解説 (3件)
フォーカシング指向心理療法とは、身体の体験過程を重視する心理療法です。
各選択肢については、以下のとおりです。
1→フォーカシング指向心理療法は、「今ここで」の体験が重要です。
よって選択肢の内容は誤りです。
2→フォーカシング指向心理療法は、言葉にならない漠然とした身体感覚を感じることが大切とされています。
よって選択肢の内容は誤りです。
3→フォーカシング指向心理療法は、「何となく感じるもの」に焦点を当てます。
よって選択肢の内容は誤りです。
4→フォーカシング指向心理療法は、まだ言葉にならない意味の感覚に注意を向けていきます。
まだ言葉にならない意味の感覚のことを、フェルトセンスと言います。
よって選択肢の内容は正しいです。
正答は4です。
フォーカシングとは、ジェンドリンによって生み出された心理療法です。身体の感覚を重視することが特徴で、身体では感じるがうまく言葉にならない気付き(フェルトセンス)に注意を向け、そこで感じたものを言語化・イメージ化する過程の中で新たな気付きを得ることを目的とする技法です。
1 フォーカシングにおいては、「今・ここで」実感できる身体の感覚や気持ちの流れを取り扱うことを重んじているため、「過去から現在までの体験」という記述は誤りとなります。
2 情動体験ではなく、フェルトセンス(うまく言葉にならない身体の感覚)に注意を向ける技法であるため、誤りとなります。
3 うまく言葉にならない気付きを促す技法であり、既に分かっている気付きを深める方法ではないため、誤りとなります。
4 記述のとおりです。
正解は4です。
フォーカシング指向心理療法の中心的な考えである「フォーカシング」は、クライエントが何を話すかよりも、どのように話すか、どのような方法でその発言が生じているのかに注目します。よって、フォーカシング指向心理療法は体験内容でなく、体験過程を重視します。
各選択肢については、以下のとおりです。
1.フォーカシング指向心理療法は、過去から現在までを振り返る作業をするものではありません。心理療法の中で実際に感じることに焦点を当てます。
よって選択肢の内容は誤りです。
2.3.フォーカシング指向心理療法は、すでにわかっているものではなく、漠然としたものに焦点を当てていき、クライエント自身が漠然と抱えている心の不安に向き合って、心の苦しみを和らげる心理療法です。
よって、いずれも選択肢の内容は誤りです。
4.選択肢の内容は正しいです。
クライエントが自身の身体に起こる、原因がはっきりわからないもので体感的に感じる曖昧で漠然としたもののことをフェルトセンスと言います。具体例としては、イライラして腹部に圧迫感を感じる、不安で胸が詰まるような感じ、などがあります。
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