公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午後 問115

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問題

公認心理師試験 第1回(2018年) 午後 問115 (訂正依頼・報告はこちら)

TAT の実施と解釈について、正しいものを1つ選べ。
  • 臨床場面での投影法検査として、L. Bellak による解釈法と分析法が標準である。
  • 決められた順序に従って全ての図版を呈示することによって正確な解釈が得られる。
  • G. W. Allport が標準化した欲求 − 圧力分析による解釈法を基本に、被検者の対人関係の主題を読み取る。
  • 被検者には各図版を見てストーリーを構成することが求められるため、物語を通して主題を把握することが解釈において重視される。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

TATとは、被検者に1枚ずつ図版を提示し、物語を作ってもらう投影法人格検査です。
統一された標準的な実施法や解釈法が無いことが特徴です。

各選択肢については、下記の通りです。

1→TATには、一定の実施法や分析法はありません。
よって選択肢の内容は誤りです。

2→TATには、確立された実施法はありません。
よって選択肢の内容は誤りです。

3→H.A.Murrayの欲求ー圧力分析法です。
よって選択肢の内容は誤りです。

4→被検者に図版からストーリーを作ってもらい、物語を通して主題を把握していきます。
よって選択肢の内容は正しいです。

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02

正答は4です。

TAT(主題統覚検査)とは、マレーとモーガンによって開発された投影法検査です。絵画図版(場面設定が曖昧で、人によって受け取り方が異なるような)に関して、ストーリー(過去・現在・未来について)を自由に語ってもらう方法であり、語られたストーリーからパーソナリティ傾向などを測ることができます。

1 TATの解釈や分析については標準化・体系化されているとは言えず、記述は誤りとなります。

なお、Bellak(ベラック)は、CAT(児童統覚検査)といったTATの児童版を考案した人です。

2 絵画図版30枚と1枚の空白図版がありますが、全ての図版を用いる必要はありませんので、誤りとなります。

なお、図版には少年・少女・男性・女性と年代や性別に対応しているものがあり、対象者に合わせて用います。

3 TATの基本となる「欲求-圧力理論」はマレーによって作成されたものであるため、誤りとなります。

なお、「欲求」とは人が環境に働きかける行動を引き起こす内面的な力を指し、「圧力」とは環境から人に働きかける力を指します。人が語るストーリーとは人と環境の相互作用の表現、つまり欲求や圧力が反映されたものと考えられており、パーソナリティや行動傾向の分析に用いられていると言われています。

4 記述のとおりです。

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03

正解は4です。

TAT(絵画統覚検査)とは、心理検査の中の投影法の一つで、パーソナリティや病態水準を評価します。被験者本人が自覚していない無意識レベルでのパーソナリティを測定する際に用いられる検査です。

各選択肢については、下記の通りです。

1.TATには標準的な分析・解釈方法はありません。よって選択肢の内容は誤りです。

ちなみに、CAT(児童統覚検査)はL. Bellak による解釈法と分析法が標準です。

2.TATは、実施法や解釈が未確立で、検査者の判断にゆだねる部分が大きいので、検査者の主観が入ってしまいます。よって選択肢の内容は誤りです。

3.TATを考案したのは Murray, H. A. と Morgan, C. D. です。よって選択肢の内容は誤りです。

4.検査では、人物を含んだあらゆる状況が描かれたカードを提示し、被験者に自由なストーリーを語ってもらい、その解釈により被験者のパーソナリティを明らかにしていきます。よって選択肢の内容は正しいです。

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