公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午後 問116
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問題
公認心理師試験 第1回(2018年) 午後 問116 (訂正依頼・報告はこちら)
エビデンスベイスト・アプローチについて、正しいものを1つ選べ。
- 事例研究はエビデンスとして採用しない。
- 介入効果のエビデンスは査定法の開発には用いない。
- 対照試験は一事例実験よりも結果にバイアスがかかる。
- メタ分析では同じ研究課題について複数の研究結果を統合して解析する。
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この過去問の解説 (3件)
01
エビデンスとは、証拠、根拠等のことです。
よって、エビデンスベイスト・アプローチとは、根拠に基づいたアプローチ方法と言えます。
各選択肢については、以下の通りです。
1→事例研究もデータです。
よって選択肢の内容は、誤りです。
2→介入効果のエビデンスは査定法を開発するのに重要です。そのため、介入効果と査定法には密接な関わりがあるといえます。
よって選択肢の内容は、誤りです。
3→バイアスとは、データの偏りのことです。一事例実験は、対照実験よりも結果にバイアスがかかります。
よって選択肢の内容は、誤りです。
4→メタ分析とは、同じテーマに関する複数の研究を収集し、さまざまな視点化らそれらを統合したり比較したりする研究方法のことです。
よって選択肢の内容は、正しいです。
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02
正答は4です。
エビデンスベイスト・アプローチとは、科学的・客観的な根拠(エビデンス)に基づいて、心理的なサポートを行うことを言います。
なお、エビデンスにも質の高さがあり、①ランダム化比較試験などの質が高い研究のシステマティック(系統的)レビュー ②ランダム化比較試験 ③準実験 ④観察研究 ⑤事例研究 ⑥専門家の意見 の順で高いと言われています。
1 上記のように事例研究もエビデンスとして採用されるため、記述は誤りとなります。
2 介入効果の研究結果を検証し、その結果を系統的に整理することで開発に至ります。したがって、介入効果のエビデンスは重要なものであり、記述は誤りとなります。
3 対照試験とは、ある条件の効果を調べるために、その他の条件を全く同じにして試験を行うことを言います。
一事例実験とは、単一の被検者(被検体)に対して介入し、その前後での反応を比較する実験のことを言います。
対照試験は、その他の条件を統制して行うため、調べたい条件の違いが結果に影響したかどうかを検証しやすい、つまりバイアスが生じにくいため、記述は誤りとなります。
4 記述のとおりです。メタ分析とは、複数の(同じテーマに関する)研究結果を統合して、統計学的に意味のある結果が得られているかを分析することを言います。
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03
正解は4です。
エビデンスベイスト・アプローチとは、客観的な根拠(エビデンス)に基づいて援助を行おうとすることを指します。
各選択肢については、以下の通りです。
1.エビデンスには、系統的レビュー、ランダム化比較試験(RCT)、介入研究、観察研究、事例研究、専門家の意見などがあります。ちなみに、「系統的レビュー」がエビデンスレベルの中で最も高いです。よって選択肢の内容は、誤りです。
2.心理査定(アセスメント)を行い、心理療法などの介入をし、介入効果はエビデンスをもって立証されます。よって選択肢の内容は、誤りです。
3.バイアスは、研究結果に影響を与える因子であり、バイアスがかかると研究結果がゆがめられる可能性があります。対照実験は、研究しようとする因子以外は同じ条件にした実験を並行して行うのに対して、一事例実験は、単一の事例しか扱わないので、バイアスが生じやすいです。よって、選択肢の内容は誤りです。
4.メタ分析とは、同じような研究でも異なった結果が出たりするので、不一致な結果であったとしても整合性がとれるように複数の研究を収集しそれぞれの結果を統合、比較など考察することです。よって、選択肢の内容は正しいです。
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