公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午後 問132

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問題

公認心理師試験 第1回(2018年) 午後 問132 (訂正依頼・報告はこちら)

注意欠如多動症/注意欠如多動性障害<AD/HD>の併存障害について、正しいものを2つ選べ。
  • 環境調整と薬物療法とを考慮する。
  • 成人期にしばしばうつ病を併存する。
  • 養育環境は併存障害の発症に関係しない。
  • 自尊感情の高低は併存障害の発症に関係しない。
  • 児童期に反抗挑戦性障害を併存することは少ない。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1、2です。

各選択肢については、以下の通りです。

1→併存障害には薬物療法、障害特性には環境調整が検討されます。
よって選択肢の内容は、正しいです。

2→社会的困難に見舞われることによる2次障害として、成人期にうつ病を発症する場合があります。
よって選択肢の内容は、正しいです。

3→ネグレクト等の不適切な養育環境により、解離性障害等を併発することが多いです。
よって選択肢の内容は、誤りです。

4→幼少期の自尊感情の高低は、併存障害の発症に大きく関係します。
よって選択肢の内容は、誤りです。

5→児童期に反抗挑戦性障害を併発することが多いです。
よって選択肢の内容は、誤りです。

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02

正答は1と2です

1 ADHDへの対応においては、本人が困っていることを減らしていくことを意識して、周囲の理解やサポートを促したり、生活環境を工夫したりする環境調整が重要とされています。加えて、薬物療法でADHDによる症状の緩和を図ったり、併存障害の症状を抑えたりするアプローチを行うことが考えられます。したがって、記述は正しいです。

2 記述のとおりです。ADHDの特性(不注意、多動、衝動)が影響して、社会生活がうまくいかない状況下では、うつ病を併存する場合も少なくありません。

3 ADHDは行動上の特徴から、褒められる機会よりも叱られる機会が多くなりがちで、家族からの理解が得られないとして反抗的な態度を取るようになり、反抗挑戦性障害や素行障害に至ること、あるいは自尊感情や自己肯定感が低下し気分障害に至ることなどが考えられます。

養育環境の影響は少なくないと考えられ、記述は誤りとなります。

4 ADHDは行動上の特徴から、社会生活や対人関係がうまくいかない経験をすることが多くなりがちです。こうした経験の積み重ねから自尊感情が傷つき、気分障害などの二次障害を合併する場合も少なくないため、記述は適切とは言えません。

5 ADHDの特性(不注意、多動、衝動)は、集団規範に合致しないことが多く、叱られる経験を重ねるうちに、大人や社会に対してしばしば反抗的な態度を取るといった反抗挑戦性障害を併存する場合があるため、記述は誤りとなります。

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03

正解は1、2です。

AD/HDには不注意や多動という障害特性と、それに伴って現れるうつ症状や反抗挑戦性障害や反社会的行為障害、解離性障害などの併存障害が現れます。

各選択肢については、以下の通りです。

1.障害特性には環境調整が、併存障害には場合により薬物療法が行われることがあります。よって選択肢の内容は、正しいです。

2.成人期には社会とつながることから社会的困難(主に人との関わり)が起こることがあり、その二次障害として、うつ病を発症することがあります。よって選択肢の内容は、正しいです。

3.4.ネグレクト等の不適切な養育環境や、幼少期の自尊感情の高低は、併発障害の発症に大きく関係します。併発障害は外部の環境や刺激によって起こりやすくなります。よって選択肢の内容は、誤りです。

幼児期からの親子の関係をしっかり支え、親子間の愛着形成を支援していくことが、自分を大切に思う心(自尊感情や自己肯定感)を育てることにもなり、結果的に二次障害の予防につながることが理解できると思います。

5.ADHDの併存障害には、児童期に反抗挑戦性障害を併発することが多く、反社会性人格障害のような反社会的行為障害があります。よって選択肢の内容は、誤りです。

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