公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午後 問147

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問題

公認心理師試験 第1回(2018年) 午後 問147 (訂正依頼・報告はこちら)

11歳の女児A、小学5年生。Aは複数のクラスメイトから悪口やからかいなどを頻繁に受けていた。ある日、スクールカウンセラーBは、Aから「今のクラスにいるのがつらい」と相談を受けたが、「誰にも言わないでほしい」と強く頼まれた。
Bの対応として、最も適切なものを1つ選べ。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は5です。

各選択肢については、以下の通りです。

1→Aは誰にも言わないでほしいと言っているため、全職員に詳細に報告することは避けるべきです。
よって選択肢の内容は、誤りです。

2→Aはいじめを受けていると考えられます。
いじめ防止対策推進法の規定にあるように、B個人で対応すべきではありません。
よって選択肢の内容は、誤りです。

3→管理職への報告は、すぐに行うべき対応です。
よって選択肢の内容は、誤りです。

4→「チーム学校」の観点からも、担任に一任することは不適切です。
よって選択肢の内容は、誤りです。

5→委員会に報告し、対応を検討していく必要があります。
よって選択肢の内容は、正しいです。

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02

正解は5です。

この問題では、カウンセラー自身の守秘義務と、「チーム学校」の一員としての「集団守秘」との間での対応を問われています。

いじめについて相談されましたが、カウンセラーが一人で対応できるものではありません。「チーム学校」のメンバーとして、必要な部分は共有し、役割分担を決めて動くことが、いじめ改善に有効に働くことがあります。

1.→職員会議で報告する場合は、Aを助けるのに必要なところのみを伝えれば良いので、詳細に話す必要はありません。よって、1は誤りです。

2.→Bのみで対応をすると、Bが支援の中で孤立するばかりでなく、他の教員に言わなかったことでAに対するいじめへの有効な手段が取れなくなるおそれがあります。よって、2は誤りです。

3.→Aの同意が得られるまで管理職への報告を控えていると、ひどいいじめに発展したときにBも責任がとれないですし、Aが不利益を被ることもあります。よって、3は誤りです。

4.→BがAに相談されたので、担任教師に対応を一任するというのは、Aへの守秘義務にも反しますし、担任教師への負担も大きくなります。あくまで「チーム学校」として、管理職、担任、スクールカウンセラー、養護教諭、学年主任など、多くの専門家がいじめにかかわる必要性があります。よって、4は誤りです。

5.→Aが「誰にも言わないでほしい」という気持ちをなぜ言ったのか、ということも含めて校内のいじめ対策のための委員会に報告し、いじめへの対策を「チーム学校」で進めていくことで、いじめ問題へ有効に介入することができます。よって、5が正しいです。

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03

正解は5です。

問題を解く上でのポイントは、問題文中のAの「誰にも言わないでほしい」という心情を考慮しながら対応することです。

各選択肢については、以下の通りです。

1.Aの訴えから、全職員に詳細に報告することは厳に慎むべきです。よって選択肢の内容は、誤りです。

2.いじめの対応はAの意思を尊重しつつ、クラス担任や他の教職員と連携して行うべきであり、Bひとりで解決するものではありません。よって選択肢の内容は、誤りです。

3.自己判断してはいけません。管理職への報告は、すぐに行うべき対応です。よって選択肢の内容は、誤りです。

4.いじめ問題は命に関わる危険性もあることから、担任教師だけでなく、多くの教職員と連携しながら組織として対応していく必要があります。よって選択肢の内容は、誤りです。

5.選択肢4と同様、組織として対応する必要があり、委員会の場で対応を検討していく必要があります。ただし、Aの「誰にも言わないでほしい」という心情を考慮する必要があります。よって選択肢の内容は、正しいです。

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