公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午後 問148

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問題

公認心理師試験 第1回(2018年) 午後 問148 (訂正依頼・報告はこちら)

40歳の女性A。Aには二人の息子がいたが、Aの長男が交通事故に巻き込まれ急死した。事故から半年が経過しても、涙が出て何も手につかない状態が続いている。Aの状態を案じた夫に連れられて、カウンセリングルームに来室した。カウンセリングの中で、Aは「加害者を苦しめ続けてやる。自分はこんなに悲しみに暮れている。息子が亡くなったのに平気な顔で生活している夫の神経が信じられない」などと繰り返し語っている。
このときのAへの支援の在り方として、最も適切なものを1つ選べ。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。

各選択肢については、以下の通りです。

1→想いを受容することはカウンセリングの基本です。
よって選択肢の内容は、正しいです。

2→「全部理解できる」との発言は、無責任な発言ととらえられる可能性があります。
よって選択肢の内容は、誤りです。

3→カウンセリングでは、傾聴や共感が重要なため、支援者から話題を変えることは避けるべきです。
よって選択肢の内容は、誤りです。

4→個別のケースとして対応していく必要があります。
よって選択肢の内容は、誤りです。

5→不用意な同調は避けるべきです。
よって選択肢の内容は、誤りです。

参考になった数36

02

正解は1です。

1.→加害者を苦しめ続けたいというAの気持ちに耳を傾ける必要があります。「受容」と「共感」をもって聴く必要があるため、1は正しいです。

2.→「私はあなたを全部理解できる」という言葉は、Aの安心を優先させるために発する言葉としては無責任な発言です。Aに寄り添う必要はありますが、安易に「理解できる」と言うべきではありません。よって、2は誤りです。

3.→話が堂々巡りになっていても、Aにとっては必要なことですので、途中で話の腰を折ることは避けるべきです。途中で話題を変えるのは「傾聴」にはなりません。よって、3は誤りです。

4.→カウンセリングで良くなった担当事例とAは、異なる人間で、異なる人生を歩んでいます。事例を紹介しても何の勇気づけにもならないどころか、かえってAを傷つけることにもなりかねません。よって、4は誤りです。

5.→Aの考えに共感する必要はありますが、「同調」するのは「共感」とは違います。同調にはAの感情ではなく、カウンセラーの感情が入ってしまっています。よって、5は誤りです。

参考になった数19

03

正解は1です。

各選択肢については、以下の通りです。

1.クライエントの感情を否定せず、思いを受容することが求められます。

よって選択肢の内容は、正しいです。

2.すべて理解はできないながらもそのように努めたいという姿勢は必要ですが、「全部理解できる」という発言はカウンセラーとして無責任な発言です。

よって選択肢の内容は、誤りです。

3.カウンセリングの基本は、あくまでもクライエント主体であり、傾聴や共感、話を整理するなどの技術を使って援助を行うことが大切です。したがって、話題を変えることは慎むべき です。

よって選択肢の内容は、誤りです。

4.過去の成功事例がどんなパターンにおいても成功につながるとは限りません。カウンセリングでは あくまでも個別性を重視し、その人個人としてかかわることが大切です。

よって選択肢の 内容は、誤りです。

5.クライエントの思いを受容する必要はありますが、それは同調することではありません。夫はあくまでも家族の一人なので、不用意な同調が新たな怒りや苦しみに繋がる可能性があります。

よって選択肢の内容は、誤りです。

参考になった数16