公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午後 問149

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問題

公認心理師試験 第1回(2018年) 午後 問149 (訂正依頼・報告はこちら)

45歳の男性A、工場勤務。Aは酒好きで、毎日焼酎を4~5合飲んでいた。この数年、健康診断で肝機能の異常が認められ、飲酒量を減らすよう指導を受けていた。半年前から欠勤が目立ち始め、酒の臭いをさせて出勤し、仕事のミスも目立ち始めた。産業医は「完全に飲酒をやめることが必要。できなければ専門病院での入院治療も必要」とAに指導した。Aは今後一切飲酒しないと約束した。1か月後、上司から産業保健スタッフの一員である公認心理師に連絡が入り「Aが1週間ほど無断で休んでいる。電話をすると、つい酒を飲んでしまったということだった」と言う。
関係者(上司、人事労務担当者、産業保健スタッフ、家族など)の対応として、不適切なものを1つ選べ。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

事例では、アルコール依存症が疑われます。

各選択肢については、以下の通りです。

1→アルコール依存症について、本人は問題を認識していない場合があるため、改めて問題提起をすることは重要です。
よって選択肢の内容は、正しいです。

2→合意事項を確認し、約束をすることは重要です。
よって選択肢の内容は、正しいです。

3→事例中でも約束が守られていないため、「絶対自分でやめる」という意思を尊重し様子を見ることは適切ではありません。
よって選択肢の内容は、誤りです。

4→治療しない場合のデメリット伝えることで、治療を受けるきっかけになる場合もあります。
よって選択肢の内容は、正しいです。

5→関係機関であらかじめ取り決めをしておき、Aと関わることも重要です。
よって選択肢の内容は、正しいです。

参考になった数36

02

正解は3です。

Aは、「酒好き」「毎日焼酎を4~5合飲んでいた」「肝機能の異常が認められ」「酒の臭いをさせて出勤し、仕事のミスも目立ち始めた」など、アルコール依存症が疑われます。

アルコール依存症は、飲酒がコントロールできない病気です。また、アルコール依存症は、「否認の病」とも言われます。意思の強さとは関係なく、飲酒をすると止められなくなります。

1.→アルコール依存症は「否認の病」とも言われます。ですので、関係者が集まり、全員でAに問題を認識させることが必要です。よって、1は適切です。

2.→治療を受ける意向がある場合は合意事項を確認し、Aと約束する必要があります。アルコール依存症の場合は、飲酒を1滴でもしたらコントロールできなくなりますので、必ず「断酒」をする必要があります。「断酒」を約束してもらう必要がありますので、2は適切です。

3.→アルコール依存症の方は飲酒を意思の力では止められません。「否認の病」です。「絶対自分でやめる」というA自身の言葉を鵜呑みにはできません。よって、3は不適切です。

4.→治療しなければ社会的地位を失うリスクがあることもAに伝え、それだけ「断酒」がAにとって重要なことであると伝えることも必要です。よって、4は適切です。

5.→関係者がAの問題について一致してアルコールの専門治療に向かえるように、事前に専門治療の必要性と入院を含む治療方針について協議しておく必要があります。よって5は適切です。

参考になった数20

03

正解は3です。

事例では、Aのアルコール依存症が疑われます。

各選択肢については、以下の通りです。

1.Aは自身がアルコール依存症であるという認識がないので、関係者が集まり改めて問題提起をすることは重要です。よって選択肢の内容は、正しいです。

2.治療者はAと合意事項を確認し、治療契約を結んで治療を始めることが望ましいです。よって選択肢の内容は、正しいです。

3.依存の症状が進んでいる状態で、「絶対自分でやめる」という患者の意思のまま様子を見るのは適切ではありません。よって選択肢の内容は、誤りです。

4.治療しない場合のデメリットを正確に伝えることで、治療を肯定的に受け止め治療を継続するきっかけになる場合もあります。よって選択肢の内容は、正しいです。

5.アルコール依存症では、通常の精神科医療機関よりも専門性の高い依存症の治療プログラムのある医療機関への通院や入院を検討しなれけばならいので、関係者間で事前に協議しておくことは重要です。よって選択肢の内容は、正しいです。

参考になった数19