公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午後 問153
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問題
公認心理師試験 第1回(2018年) 午後 問153 (訂正依頼・報告はこちら)
28歳の女性A、会社員。Aは、3か月前に夜遅く一人で歩いていたところ、強制性交等罪(強姦)の被害に遭った。その後、気がつくと事件のことを考えており、いらいらしてささいなことで怒るようになった。仕事にも集中できずミスが目立つようになり、上司から心配されるまでになった。「自分はどうして事件に巻き込まれたのか。こんな私だから事件に遭ったのだろう。後ろから足音が聞こえてくると怖くなる。上司も私を襲ってくるかもしれない」と思うようになった。
Aに認められていない症状として、正しいものを1つ選べ。
Aに認められていない症状として、正しいものを1つ選べ。
- 侵入症状
- 回避症状
- 覚醒度と反応性の変化
- 認知と気分の陰性変化
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この過去問の解説 (3件)
01
Aは、強制性交等罪の被害によるPTSDを発症していると考えられます。
各選択肢については、以下の通りです。
1→侵入症状とは、心的外傷的出来事を繰り返し想起したり、夢に見たりする症状です。
「気がつくと事件のことを考えており」の部分が侵入症状に当てはまります。
よって選択肢は、正しいです。
2→回避症状とは、心的外傷的出来事に関する場所や人、活動、思考等を避けたり、避ける努力をする症状のことです。
問題文からは、そのような症状は読み取れません。
よって選択肢は、誤りです。
3→醒度と反応性の変化とは、苛立ちや激しい怒りを示したり、集中することが困難になる症状のことです。
「ささいなことで怒るようになった。仕事にも集中できずミスが目立つようになり、」の部分が覚醒度と反応性の変化に当てはまります。
よって選択肢は、正しいです。
4→認知と気分の陰性変化とは、自分や他者に対して、否定的な感情を持続的に体験したり、肯定的な感情を持つことができない症状のことです。
「自分はどうして事件に巻き込まれたのか。こんな私だから事件に遭ったのだろう。」の部分が認知と気分の陰性変化に当てはまります。
よって選択肢は、正しいです。
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02
正解は2です。
心的外傷(PTSD)が疑われる場合、以下の4つの症状がみられがちです。
・侵入症状
・回避症状
・覚醒度と反応性の変化
・認知と気分の陰性変化
1.→侵入症状とは、『トラウマとなった出来事に関する不快で苦痛な記憶が突然蘇ってきたり、悪夢として反復されること』です。また思い出したときに気持ちが動揺したり、身体生理的反応(動悸や発汗)を伴います。「気がつくと事件のことを考えており」というところが侵入症状にあたります。よって、1はAに認められている症状です。
2.→回避症状とは、『出来事に関して思い出したり考えたりすることを極力避けようしたり、思い出させる人物、事物、状況や会話を回避すること』です。特に事件に関連する場所や場面を避けている様子はないため、回避症状はなさそうです。よって、2がAに認められていない症状です。
3.→覚醒度と反応の変化とは、『いらいら感、無謀または自己破壊的行動、過剰な警戒心、ちょっとした刺激にもひどくビクッとするような驚愕反応、集中困難、睡眠障害がみられる症状』です。「いらいらしてささいなことで怒るようになった」「仕事に集中できずミスが目立つようになった」「後ろから足音が聞こえてくると怖くなる」という症状がAにみられ、これが「覚醒度と反応性の変化」です。
4.→認知と気分の陰性症状とは、『否定的な認知、興味や関心の喪失、周囲との疎隔感や孤立感を感じ、陽性の感情(幸福、愛情など)がもてなくなること』です。「こんな私だから事件に遭ったのだろう」という症状がみられるため、4はAに認められている症状であり、これが「認知と気分の陰性症状」です。
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03
本問は認められない症状を問われていますので、選択肢ごとに確認してみましょう。
1:“気が付くと事件のことを考えている”が該当します。
2:文中に該当する記述はありません。
3:“仕事にも集中できずミスが目立つようになり”、“足音が聞こえてくると怖くなる”が該当します。
4:“いらいらしてささいなことで怒るようになった”が該当します。
以上により、2が正解となります。
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