公認心理師の過去問
第2回(2019年)
午前 問21
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問題
公認心理師試験 第2回(2019年) 午前 問21 (訂正依頼・報告はこちら)
マルトリートメントについて、正しいものを1つ選べ。
- マルトリートメントは認知発達に影響しない。
- 貧困はマルトリートメントのリスク要因にならない。
- マルトリートメントを受けた子どもは共感性が高い。
- マルトリートメントを受けた子どもは警戒心が乏しい。
- マルトリートメントを受けることは、将来身体的健康を損なうリスクとなる。
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この過去問の解説 (3件)
01
マルトリートメントとは、大人の子どもに対する不適切な関わりのことです。
各選択肢については、以下の通りです。
1→マルトリートメントは、認知発達に影響を与えるとされています。
よって選択肢は、誤りです。
2→貧困はマルトリートメントのリスク因子の1つとされています。
よって選択肢は、誤りです。
3→マルトリートメントを受けた子どもは、対人関係障害が起きる可能性が高いです。
そのため、共感性も低いとされています。
よって選択肢は、誤りです。
4→マルトリートメントを受けた子どもは、警戒心が強いとされています。
よって選択肢は、誤りです。
5→マルトリートメントを受けると、将来にわたって身体的健康を損なうリスクになりうるとされています。
例えば、偏った栄養の食事を食べ続けることで、糖尿病や栄養失調などのリスクが伴います。
よって選択肢は、正しいです。
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02
正解は5です。
マルトリートメントとは、「避けるべき子育て」を指します。日本語では、『不適切な養育』と訳され、子どもの健全な発育を妨げるとされています。
1.→子どもは、さまざまな虐待を受けたり、実際に自分が虐待を受けていなくてもDVの現場を間近で見ていたりするだけでも、前頭葉の一部が萎縮することが研究でわかってきました。そのため、マルトリートメントはその後の認知発達にも影響すると考えられています。よって、1は誤りです。
2.→貧困によって子どもに悪影響を与えたり、不適切な行為があったりすれば、マルトリートメントの要因になりえます。よって、2は誤りです。
3.→マルトリートメントを受けた子どもは、人間関係をうまく築けなくなることが多いです。人間関係をうまく築けないということがある場合、必ずしも共感性が高いとは言えません。よって、3は誤りです。
4、→マルトリートメントを受けた子どもは、防衛反応として暴力や暴言等から自分を守ろうとし、警戒心が強くなりがちです。よって、4は誤りです。
5.→マルトリートメントを受けることにより、大人になってから摂食障害になったり、睡眠障害になったり、アルコールや薬物の依存になることも少なくはありません。つまり、マルトリートメントを受けることは、身体的健康を損なうリスクとなりえます。よって、5は正しいです。
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03
マルトリートメント⦅mal(悪い)+treatment(扱い)⦆は、「不適切な養育」と訳されています。
マルトリートメントは、虐待より広範にわたる概念ですが、虐待も含んだ概念であることを踏まえれば、2、3、4はいずれも誤りであることが分かります。
例えば、貧困は、子どもに十分な食事を与えたり、必要な治療を受けさせたりすることが出来ないという、ネグレクト要因となり得ます。
また、1については、暴言や暴力を受けることで、知能や理解力などの発達に悪影響を及ぼすことが指摘されています。
以上から、5が正解となります。
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