公認心理師の過去問
第2回(2019年)
午前 問39

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問題

公認心理師試験 第2回(2019年) 午前 問39 (訂正依頼・報告はこちら)

学校生活での悩みを持つ思春期のクライエントとの面接に関して、保護者への情報提供に関係する対応として、不適切なものを1つ選べ。
  • 事前に、秘密や記録の扱いについて関係者と合意しておく。
  • 保護者から情報提供の依頼があったことをクライエントに知らせ、話し合う。
  • クライエントの意向にかかわらず、秘密保持義務を遵守するために、保護者からの依頼を断る。
  • 相談面接において、特に思春期という時期に秘密が守られることの重要性について、保護者に説明する。
  • 保護者に情報提供することで、保護者からの支援を受けられる可能性があるとクライエントに説明する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は、3です。

本問題は、不適切な選択肢を選ぶ問題です。

各選択肢については、以下の通りです。

1→事前に守秘義務や記録の取り扱いについて、関係者間で話し合いをしておくことは重要です。
よって選択肢の内容は、正しいです。

2→保護者への情報共有について、クライエント本人の考えを聞くことは重要です。
よって選択肢の内容は、正しいです。

3→公認心理師法 第41条(守秘義務)
「公認心理師は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。公認心理師でなくなった後においても、同様とする。」と記載があります。
正当な理由とは、裁判や司法手続き、人命に関わる非常事態などが当てはまります。
クライエントの意向も大切ですが、裁判や司法手続き、人命に関わる非常事態などの場合は、クライエントの意向に反する判断をする場合もあります。
よって選択肢の内容は、誤りです。

4→保護者にも秘密保持の重要性を説明しておくことは大切です。
よって選択肢の内容は、正しいです。

5→保護者に情報共有するメリットをクライエントに伝えることは、支援の可能性を広げることにもつながります。
但し、その場合、あくまでクライエントの意向を尊重したものであって、情報提供することについて、説得にならないよう、注意しなければなりません。
よって選択肢の内容は、正しいです。

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02

【正解:3】

秘密保持に関する問題です。
公認心理師法第41条によれば、「公認心理師は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。公認心理師でなくなった後においても、同様である。」とあります。
そして“正当な理由”として、法令に基づく場合、本人の承諾がある場合、第三者の利益を保護する場合とされています。

以上から、3の“クライアントの意向にかかわらず”という記述は不適切と判断できます。よって3が正解です。

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03

以下に解説していきます。

選択肢1. 事前に、秘密や記録の扱いについて関係者と合意しておく。

これは適切です。事前にクライエントや保護者と秘密保持や情報共有に関して合意を取ることは、相談における基本的なステップです。

 

選択肢2. 保護者から情報提供の依頼があったことをクライエントに知らせ、話し合う。

これも適切です。クライエントが思春期の場合、本人の同意が非常に重要ですので、情報提供の依頼があった場合でもクライエントと話し合うのは適切な対応です。

選択肢3. クライエントの意向にかかわらず、秘密保持義務を遵守するために、保護者からの依頼を断る。

これは不適切です。クライエントの意向にかかわらず、一律に保護者の情報提供を断ることは、柔軟性に欠けます。秘密保持義務は重要ですが、クライエントと話し合い、合意を得る手続きを踏まずに、無条件に保護者の依頼を断るのは適切ではありません。状況によっては、クライエントの同意を得た上で保護者に情報を提供することも可能です。

選択肢4. 相談面接において、特に思春期という時期に秘密が守られることの重要性について、保護者に説明する。

これは適切です。思春期のクライエントにとって、秘密が守られることは信頼関係の構築において重要です。そのため、保護者にもその重要性を説明することは適切です。

選択肢5. 保護者に情報提供することで、保護者からの支援を受けられる可能性があるとクライエントに説明する。

これも適切です。保護者が支援の一環として役割を果たせる場合があるため、その可能性をクライエントに説明するのは有効です。

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