公認心理師の過去問
第3回(2020年)
午前 問10
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問題
公認心理師試験 第3回(2020年) 午前 問10 (訂正依頼・報告はこちら)
E.C.Tolmanは、ラットの迷路学習訓練において、訓練期間の途中から餌報酬を導入する実験を行っている。この実験により明らかになったこととして、最も適切なものを1つ選べ。
- 回避学習
- 観察学習
- 初期学習
- 潜在学習
- 逃避学習
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この過去問の解説 (2件)
01
正答は4です。
トールマンによるネズミの迷路の実験において、エサを与えない捜索の状態から、エサを与える状態に切り替えると、次の試行から成績が急上昇し、始めからエサを与えられていた群に追い付くという結果が得られました。このことから、報酬が無い時期に潜在的に学習が進んでおり、報酬を与えるとそれが顕在化するといった、「(4)潜在学習」が進んでいる可能性が示唆されました。
1 回避学習とは、あらかじめ適切な行動を取れば嫌悪刺激を回避することができるような状況を設定することで、嫌悪刺激を回避することを学習することを指します。
2 観察学習とは、他者の行動を観察することによって(自らは何の実行がなくても)学習が成立することを指します。
3 初期学習とは、発達の初期に与えられる刺激(経験) によってもたらされる学習のことを指します。
5 逃避学習とは、嫌悪刺激を何回か経験すると、その刺激が呈示された際に素早く逃げることを学習することを指します。
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02
正解は4です。
各学習理論については以下の通りです。
1.回避学習とは、道具的条件付けの一種です。回避することにより報酬が得られることを繰り返すうちに、回避してしまうことを学習してしまうことです。
2.観察学習とは、A. Banduraによって提唱された学習理論で、モデリングとも言われます。直接的な行動の強化がなくても対象の観察によって学習が成立することを言います。よって、不適切です。
3.初期学習とは、K.Z.Lorenzによる学習理論で、刻印づけとも呼ばれます。生まれた直後のガンの雛が動いている対象を見ることによってその対象を親だと認識するようになるのと同様に、人間も限られた早い時期の段階(臨界期/敏感期)にのみ学習が生じることを初期学習と言います。よって、不適切です。
4.設問の内容は「潜在学習」ですので、適切です。
5.逃避学習とは、不快刺激に基づく道具的条件づけの一つで、与えられた不快状況(嫌悪刺激)から逃れようとすることを学習することを指します。よって、不適切です。
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